2007/10/22
繰り返して

開かれた稽古場、あっという間に3分前だった。今日は、さすがにあたし自身の参加は叶わなかった。全体を観ていくことと自身の訓練をうまく混交させていきたい。しょっぱな身体の中に音を響かせる稽古、これには参加。身体に音がうまい感じでのる。この訓練、踊る、という意識ではなく、身体に音を入れていく作業。音は耳で聴き、身体に連動させて、身体を動かす。踊りにいくのではない感じ。皆は一様に何をやるのか、まだ身体になじんでいないようだった。1度、中断する。身体を、何かさせなくちゃいけない動きになっていたので。
リズムを身体で感じる。音のボリュームに身体をのせる。そして、それが身体と身体で連動していく。またやろう。Tが鼻血を出す。けれど、感じようとする意識一番鋭い。大事なことだ。
繰り返すことで、それぞれの身体にリズムがうまれるだろうか。
次は、所謂「秋波」というものかな、やってみた。みる。距離感のある感情の飛ばしはなかなか見えないものだ。うむ。初参加のモデルちゃんが、ぞくっとする目を飛ばす。あれはよかった。
1冊の本、個人的嗜好で今日は「寺山修司」をチョイス。それぞれに開いたページを読む。初見で内容を伝える作業。Nちゃんは経験値か、流石。言葉を即座に察知して、内容を把握しながら、声を出し、読むという一連。なかなかうまくいかない。声も言葉も届いてこない大半。発声に切り替える。身体の緊張から弛緩まで。腹式呼吸。これは教えるしかないジャンル。腹式呼吸の再点検、あたし自身も。
それぞれの声に合わせたアドバイスをしていこう。
Tの息量が減っていて、がっかり。発声こそ、繰り返しだ。日々の訓練だということ。
感情を心に持つこと、動かすこと。これがあたしの基本だ。
怒りのエチュード、7本。NちゃんとKちゃんのコンビ、怒りを持ってはいるが、話の進行でその感情が鈍っていく。物語を伝えることが狙いではないので、申し訳ないが止める。それぞれに怒りを持ち、それをぶつけるということに挑戦してもらう。Nちゃん、怒りというひとつの感情を持ち続ける。持ち続けるうちに沸点がくる。これは見事。こころにある感情を持ち続ければ、それは見えるのだと再認識した。Kちゃん、怒りが泣きにかわる。Nちゃんの怒りから派生した次の感情だ。いい結果。
Sさやの感情の持ち方が穏やかになってしまったようだ。それは、いいことか悪いことか。これを通過して、沸点までもっていければ、もうひとつステップアップかもしれない。
去年はじめてうちの公演で芝居をはじめたNさん、去年は持てていた天性の情熱が今年はひとつある意味演じられたものに変質していた。今日は、心に戻ってほしいと伝える。やはり、小手先より気持ちだと想うので。
Tちゃんは沸点が瞬間で途切れる。感性はいいが、女優としてはまだまだだ。気持ちの連続ができるようにしよう。
次回は、条件のもとの感情のエチュードにしてみたい。
優しい感情からはじめるつもりが、怒りにしてしまった。いかん、いかん。
はじめてに人たちには、脚がすくんじゃったかも。ま、いいや。また、挑戦したくなったらきてくれるだろう。
エチュード1000本ノックで、実りを得たいと考えている。
次回からも、繰り返し、繰り返しの稽古続行する。
テキストを使ったセリフの稽古もやろうと想う。
それぞれのペースで、日常の稽古というものを習慣にしてほしい。それがこの開かれた稽古場の目的だ。
俳優は日々修業だ。終わりはない。
今回は大きな役もこなす俳優の参加で、あたしもえるもの、貰った課題多し。
感謝だ。経験値問わずだが、俳優業のプロたちの積極的な参加を望んでいる。