2010/03/22
第104回開かれた稽古場の不思議

公演を終えた翌日、さまざまな想いが去来した。芝居を愛する。ただそれだけ。きょう雑物は忘れる。それがあたしの物の見方ってわけ。
マチネで友人の山田ジャパン千穐楽を観る。友人に感想を送る。そのまま、開かれた稽古場に向かう。稽古場はわくわくする。こんな人生。愉しいね。
稽古参加。4名。見学1名。稽古の前には変態公民館の掃除をする。はじめての参加者に挨拶をして、名前を訊く。H山くん。あたしの青春時代の思い出の中にいる人を、床のゴミをとりながら、連想する。彼はもう彼の地。感激。あたしにしかわからない、興奮。
稽古開始。気持ちを自由に動かすことを話す。これを一生かけて伝えたい。気持ちが動いてほしい。ただ、それだけ。今日初参加の大学生にも、経験豊富な役者 さんにも話す。こういう話をどこで掴まえてくれるか、そこが大事なことなので。まず、歩く。自由に歩くという行為。そして、そこから他者を感じるというこ と、そこからシーンをドライブさせていく。シーン作りまで5連発。チャーRは発想も面白く、自由度が高い。ある限界点があり、ストッパーがかかることが気 になる。Mケル、言葉先行がなかなか抜けない。しばらくぶりのY子ちゃんも肝心の反応がごっそり欠落している。初参加のSくんは何かをしようとしてしま う。止めて、お願いとダメだしをしながら、シーンを修正し、実感を喚起してもらいながら、繰り返す。だんだん、反応が生まれて面白くなった。
続いて、感情の訓練。強い怒り。想像して、その感情を産むことだ。言葉を飛ばしていく。なかなか見えてこない。想像していることの輪郭が弱いのだと想う。 瞬間出たチャーRの反応が失速するので、アドバイス。感情がもっと上がっていくといい。Y子ちゃんは感情の動きは見えるのだが、微弱。強いものにしたい ね。Mケル、まだまだ弱いが、集中できるようになった。Sくんは気持ちが動かないほどの緊張かな。強い怒りから、煽り。煽り10連発。実感が弱い。反応が 弱い。とにかく、強いものがほしいのだ。はっきりしたことがほしいのだ。繰り返すうちにチャーRがだんだんによくなった。瞬発力をつけたい。さらに距離感 を作り、10連発。感情のキャッチボールのリズム感。
続いて、感情をさらに強くしていく。殺意。殺意を想像して創る。殺意の歩きから、実行。チャーRの実行のあとの反応が良かった。身体が自由でいいと感じ た。独自なものが見えたい。Mケル、実行まではよかった。Y子ちゃん、なんとなくぼんやりしていて、弱い。S木くん、まったく何もない。ここから。死を扱 うことについて。
さらに余命を受け止める。1ヶ月の余命を知ったときの反応。死にたくない想い、そこからの逡巡、葛藤。チャーRからはもっと細かい気持ちの変化を見たい。まとめなくていい。流出させて。溢れさせて。
続いて、最愛の人の死。Y子ちゃんの雄叫び、よかった。
深い哀しみの歩き。Sくんは気持ちをまず少しでも持ってほしい。
愛情と別れ。愛情表現には、強く、深い、そしてドキドキするものがほしい。チャーRは面白かったが、愛が見えなかったので、注文をして再度。意識をすることで、飛んでしまうものが掴まえられることは素敵。雲泥の差になった。
温かい表現でありたいね。
Mケル、人を愛すること。それはテクニックではないのではないか、そんなこと。Sくん、ストレートなプロポーズは心地よく感じた。
受けるY子ちゃんに気持ちの遊びがほしいと想った。逃げ腰から受けるのではなくありたい。
そして、別れ。たとえば、チャーRとY子ちゃんのシーン。どこかうわべで、感情のぶつかりあいまでいかない。消化不良。
他2本も綺麗事。つまんない。
泥酔の課題。3本。ダメだしをしながら、泥酔者の吹きだまり。なかなか面白くならない。泥酔の実感がなく、身体の表現もダメ。なので、泥酔トレイン。
再度、吹きだまり。最後は少し面白くなった。チャーRは感じでこなさず、正確さがほしい。
奇妙な部屋。シュールなシーンはリアリズムの上で成立する。2本。
日常動作、部屋の設定、そして、実感。チャーRのみ、まあまあ。ダメを出して、よくなる。もっとだね。
最後に恒例相関図。チャーRが繊細に心が動き、よかっったね〜。Mケル、愛、愛!Y子ちゃん、開き直り。そこに困惑が見えたら、もっとよかったな。
稽古後に初参加のSくんが医大生と知る。なんでまた?笑。しっかりお医者さんになりなさい、と言った。
チャーリーから「バーサよりよろしく」を鮮明に想い出し、帰宅して、演る。