2010/04/05
極めていきたいと心に誓う。

雨。花曇り。寒い。ピンターの写真のデータを役者さんたちに送った。ダウンロードしましたとの報告メールに安心する。稽古場。
参加者3名。見学2名。今回は激しい情動をシーンにするところから始めてみる。スキルが確実にあがってきた役者2名をさらに上げたい。1回目。3名とも形 になってしまい、止める。2回目。心を取り戻してとダメを出せば、すぐに反映される。ならば、1回目からそうありたいね。情動のぶつかりあいが見えてく る。Mケルは中身が薄い。強くすることとアドバイスする。3回目。激しいぶつかりあい。M本、Hで。Mケルも必死で食い込む。さらに激しいものになりた い。4回目。繰り返すことで重なっていく感情。これもありだと想う。
続いて、観客席への意識を話す。観客席に実感を伝達するためには、よりはっきりした表現と実感がほしいわけだ。観客席に強い怒りをぶつける。果たして、まだまだ弱い。観客席を震撼させるために必要なもの。それはけれんではだめだ。
再度。Hでがかなりよくなった。何かをしない。中身を埋める作業を重ねるところが彼のよさだ。そして、役者同士の相互作用も必要だと想う。Mケルはまだま だ形に走る。本物と作りものでは本物を際だたせてしまうだけ。しかし、舞台の上ににせものはいらない。厳しいけれど、そういうこと。芝居は誰がよいわる い、勝ち負けではなく、全員が勝たねばならないのだから。
感情を伝達し、感じ、シーンにする訓練。5連発。決められた動線の中、きっかけの中。感情が中心に集まり、摩擦を起こす。そこからのシーン作り。己の持った感情がどう変化するか、それを感じること。感情は動くものであることを実感できたか?
さらに実感の課題。火。肉体の反応。想像力。M本、Hでは常に実感しようとするので、繰り返す度によくなる。ただ、それは想像の域をなかなか超えてくれな い。ある限界点を超えたものがみたいのだ。Mケル、果敢な挑みで随分よくなってきたが、まだまだ。過去とくらべていてもしょうがないので、厳しくなる。M 本はともすると表現することに偏る。実感し、さらに表現し、伝えるためにはその案配が必要だよね。
深い哀しみの課題。深い哀しみが自然に泣きに繋がるようになったM本、Hで。とてもいい。身体の力が抜けていき、信じられるものになっている。繰り返すこ とでさらにそれが高まる。Mケル、初っ端、かならず何かを説明する表現になる。ダメを出すとよくなる。この繰り返しかもしれないが、あたしは食い下がるつ もり。心だけを動かし、表情を抜く。感情を心で感じるために。
そこから、息の表現、声の表現。さらに再度、号泣。感情をさまざまな角度から、方法から役者自身の中に納得させるために。
さらに号泣の身体表現。表現となるとまだまだ。アドバイス。次回に期待とする。
根気のいる訓練ではあるが、実感こそすべて。そう想うので、繰り返すのだ。
感情の弁が柔らかくなったところで休憩。
再開。師匠からアドバイスされた笑いの要素を考えた。あたしは笑いをリアリズムの中から探りたいと結論した。それを話し、奇妙な部屋。
部屋への入りを正確に規則的なものにしてはどうか?やってみる。面白い。そうか、と想う。日常動作。3名の動作が重なっていくことで、観客の気持ちがどう反応するか、と考えながら観てみる。まず、何だろう?という疑問の中で
役者それぞれに対する反応のタイミングかと想った。執拗に気付かないことを繰り返したことで、面白くもなったが、ダレもした。加減が難しいかも。執拗な繰 り返しは笑いの要素としてはブローで徐々にきいてくる。さらにその繰り返しを表出していくとよいのかもしれない。M本に少しその意識が見えた。やるなら、 もっとかもね。Hでの足の痛みへのしつこさがしつこすぎた感あり。
Mケルの言葉の嘘っぽさがまだ気になる。どう言うか、ではなく、その行動の上での言葉でありたい。物での自己確認、混乱。面白いところもつまらないところもあった。否定を繰り返しても発展しないことを再認識した。
シーンとしてはまあまあ。笑わせることを目的とはしたくないが、笑いの要素は必須であろう。人間の混乱や感情のぶれ、そんなものが笑いに繋がれば最高。あ たしは自分の創る芝居に笑いが欲しいと常に想っている。笑いを狙うのではない笑い。こりゃ、大変だけどね。目指している。
続いて、愛情のエチュード。設定に少し無理があるかと想ってハラハラしたが、思いがけず、役者同士の意思の疎通がうまく通い、よいドライブを観ることができた。ただ激しい感情の揺れが見えず、和気藹々路線は、しつこいけれど、好みではない。(笑
男優のみの参加だったので、本日は最初の激しい情動を稽古終盤で再度。煽り、恫喝。所謂喧嘩場。触発の瞬間をもっと大事にしてほしい。
Mケルの行動に疑問。何度かダメを出したが。相手の反応を見ないと喧嘩場は緩む。緊張感ももっと欲しい。10連発。それぞれに感じた物、掴んだものを次回に活かしてほしい。
取りたてのエチュード。3本。役作りへのヒント。よくあるやつでは納得できない。オリジナリティと細部に渡る細かい表現がほしいところだ。
最後に身体表現を持ってきた。感情が柔らかになり、身体がほぐれたところで音との反応が見たかった。これはこれで成立の域。今回は変化のない音だったので、その中でどう表現するかという課題が残った。
さて、次回は
13時からハーフムーンシアターカンパニー主催の発声、「リンクレター・テクニック」の稽古、
こちらへの参加も是非どうぞ。これはあたしも参加します。参加したい方はコメントでもメッセージでも下さい。
その後は浅草橋に移動して、開かれた稽古場やります。
真っ暗くらの世の中で、食い下がろうぜ、芝居道。