2010/08/09
ピンターから開かれた稽古場まで芝居に漬かって幸せでしたとさ。

朝から準備、ビールを事務所まで運ぼうとしていたら、相方が送ってくれた。途中顔合わせのおやつを買う。事務所に到着し、まず席を作ったり、風を通したりして皆さんのお着きを待つ。キャスト、スタッフ総勢20名が会した。
少し窮屈ではあったが、事務所での顔合わせは落ち着く。20名も入るだろうかと想っていたが、いい感じに収まった。今日はまずスケジュールの調整をして本 読み3回を決めた。チケットの動きがキャパシティに比べてとてもいいので、公平になるように、耳にたこのチケットのお話。演出の吉岩先生に役者さんと役名 をご紹介いただく。スタッフをご紹介する。忙しいスタッフたちが30分でもと顔を出してくれることにつくづく感謝する。
「パーティの時間」本読みを聴く。字面で読んでいるときよりもずっとわかりやすかった。さすがの役者力という感じ。自分の作品にも反映させてみて、昨日師匠にアドバイスされた役と「普通」を思い巡らした。
乾杯の後の談笑が今の演劇界の話になり、「革命起こそう」の血が騒ぎ出し、時計をみるとやばいっ。あたしは今日は稽古場だ。散会し、皆さんと駅まで。総武線で一路浅草橋。
開かれた稽古場。参加者5名、見学2名。まったく芝居ははじめてというタレントさん2名。特にメニューを組み直すことなく進める。
歩く。Nみ、Mケルの歩きに不自然さが伴う。時折、目線のアドバイス等。Y子さんは小さな身体に似合った歩きだと想うが、もう一息の思い切りが歩きに欲しい。M本は安定していて、落ち着ける。やっとここまできた。Mちゃんは自然体でいい。さらけ出す意識がいい。
歩きからの会話。会話が自然とシーンになったので、切り取る。M本、Nみ、Mちゃんで愛情のシーンへの展開。このシーンから感情を強調し、矯正していく試 み。それぞれの感情をはっきり持つこと。表現を追わず、感情を追ってみる。Mちゃんが繰り返す度によくなる。吸収の仕方がよい。M本の感情が論理的過ぎ る。Nみは感情の起伏が弱い。感情のふれがゆるい。それぞれにアドバイスして、3連発。このシーンにさらにY子、Mケルが加わり、シーンを発展させる。M ケルがこのところできていたことを忘れて、いきなり飛び出てそこから考えているので、何もない。止める。再度。Y子ちゃんの母の役柄設定は面白かったが、 やや無理があったかな。M本の最後の狂乱がもうひとつ上がったら面白かったのではないかな。
愛情の課題。歩く、愛情の秋波を飛ばす。Mの愛情が強くなる。とてもいい。Mケル、Nみの愛情が見えてこない。5連発。アドバイスをしながら、繰り返すうちにMの愛情がどんどんはっきりする。直情の愛情であたしは大好きだ。
さらに、愛情を声で表現する課題。愛情を正対し、声で伝える。せつなくなるほどに、熱い想いが声に溢れるとよい。Mケル、Nみの声がきこえない。声の高低や大小ではなく、感情の強さだと想う。Y子さんの声が決して大きくはないが響いてきた。3連発。
Mの悲鳴のような声、いいね〜。さらに、求める見え方とか在り方があたしにはあったのだけれど、M本の取った距離と声にやや納得できなかった。
続いて、声と身体表現で愛情を伝える。結果、当てぶりになってしまい、失敗。
続いて、憤怒とか怒りの伝達。歩き、伝達する。向き合い声で伝える。伝わってきたものは全員激しくて成功。全体の表現として素敵だった。
次は哀願とか懇願とか。歩き、手の合図で懇願する。懇願することとそれに対する反応。M本が反応をやっと思い出した感じ?
切実さが全体に欠けていたかもしれない。何を頼むかということより、頼むという気持ちが欲しい。ネタに奔った感あり。
シーン作り。50萬を借りる。M本×Y子 M本の見え透いた嘘なのか真実なのか、その曖昧さがいいのか、悪いのか、あたしにもわからなかった。Y子さんは銀行に行った。もしかしたら、この次のシーンに裏切りが見えるのかもしれないから。
Mケル×Nみ Mケルの必死さにあっけなくNみは銀行に行こうと席を立った。そこで泣いたMケル。その泣きがいまいちだった。あたしなら、ここで我に返りそう。ホントに嬉しくて、安心して泣けたらなあ。惜しい。
M本×M これは設定が車。これは女はYESとは言わないだろうね。Mの反応がもっともでよかった。M本、真剣みが足りなかった。ネタに走る。
煽り。20連発。Nみの煽り。声を荒らげろとは言わないが、怯みが見えすぎた。Mケル、言葉に走り過ぎて相手役が不在になる時は残念
Y子さんが面白かったね。この思い切り、冴えてきたと想う。
M、腹は据わっているのだけれど、声が頭に抜けて好きじゃなかった。声の訓練も必要だな。M本に「ジュース買ってこいよ」はいけた。当世風のギャル言葉もいいものだなと想ったし。
今回は繰り返し、感じて、掴んでもらうためのメニューにした。よかった感触を忘れるな。
奇妙な部屋。2バージョン。
日常生活の中に入り込む他人。ただ、それだけ。なかなかうまく回らない。Nみちゃんは日常生活を続けてできなかったので、次回はそのあたり。M本、まず日 常生活ありきのネタ投下にしてほしい。Mケル、今日は雑だったな。Y子さんが面白くなっている。ただ、地味で埋もれてしまうので、見せていくことも考えた い。Mちゃんは繋がっているところと迷っているところがあり。つながっていけると面白くなると想う。
共有するものと否定するものがうまく行く時が面白いような感じがする。
2本目はもうひとつ、そこに死体。死体への反応が出来なさすぎ。そうなるとあとがすべてわざとらしくなってしまった。これは初の試み、またトライしよう。
最後は相関図。2本。Mケル、Nみ、M本、Y子。
愛情がどう変化し、どう執着していくかがみたいのだ。弱いなあ。
以上。
まず、芝居が面白くなり、すきになり、そこから訓練していくことの大事さに気付いてくれたら、あたしはバックアップしていきたいと想う。
訓練、訓練、稽古、稽古。