2010/08/16
毎日稽古に通う。こりゃ、幸せな日々也。

昨日は恒例の開かれた稽古場だった。お盆の送り火を一日早く思い込んでいて、赤面する。世間はまだお盆休みだった。海に行った友人のつぶやきを羨ましく横 目で読みつつ、やっぱり稽古場へ向かう。インドのようなむせかえるような暑さ。稽古場に入って、暑い、暑いとひとしきり。参加者4名、見学2名。
前回からのタレントちゃんも参加だったので、基本的な訓練だけではなく、表現していくこと、実感していくための課題を組み立てていった。
歩くという表現、ポーズ。自由に歩くということを繰り返している。これはとても必要なことだと思うので、今後も続けていく。けれど、今回は音の中を歩くこ と、表現としてのポージングを行う。音はあたしが気に入ってしまっているダブマスターXの音。これを使って、ひとつしっかりとシーンを創りたくなった。
まず、それぞれの歩きへのアドバイス、ポーズ。さらに他者への反応からのポージング。さらに音の中、手を入れてのポージング。10月に控えたストロベリー ソングオーケストラのイベント参加への布石として。Nみちゃんはだんだん大胆にポーズを決めていけるようになり、よかった。Y子さん、Mケルの重心の置き 方、移動をアドバイスする。M本はかっちょいいです。(笑)いや、ほんとです。ポーズから歩きへのチェンジがゆるい感じがしたので、アドバイスしていく。 しだいに4人でのポーズになっていき、自然に決まりはじめた。
続いて、音の中でのシーン創り、劇的なるものを求めて。パンドラの秘宝のシーン。繰り返し、ダメをだしながら、仕上げていく。殺戮のシーン創りをしていく。このシーン作りで形になってしまった銃殺を切り抜き、実感する訓練。
音を出し、死にゆくまで。生に対する執着と断末魔の声に拘ってみた。M本はもっとしっかりすべてが叶ったものがみたい。Y子さんは正確ではあるが、はみ出 した面白さや独自性に欠ける。もっと大胆になりたい。Mケル、なかなかよくなってきたが、余計なことを足していってしまう。Nみ、姿はかっこいいが中身が ない。これからは、その中身を埋める訓練をしていこう。
死を実感するためには、死を貪欲に想像して、死に執着していかなければならないと思う。さらに、殺す。
殺すを3本。断末魔の声の検証。殺す覚悟、殺す実行。さらにここから、絶望、落胆、発狂まで。まだまだ発狂にたどり着かない。M本は絶望でさまよってしま うので、声を入れると糸が切れた。それが連続した表現として、自らできるようになりたいね。Nみ、稽古に対する姿勢が前回と変わっていたので、実に吸収力 があった。放心がよかった。Y子さんの心、湧き上がっては、醒める。この醒める、をなくさないとね。
死への対峙から号泣。誰も泣けず。はらはらと落涙。これがみたい。声を出せないY子、声に頼りすぎのM本、なかなかうまくいかないのだ。
シーン創り。Y子、Nみの煽りからシーンを創る。今回はダメを出し、リアリズムを追いながら、丁寧にシーンを創ってみた。Nみの声が小さい。はっきり声に 出していきたいね。Mケル、リアリズムは必要。キャラクターの面白さだけでは成立しない。相手への反応。M本、やはり頭脳プレイの重点がかかりすぎると思 う。頭で割り切らず、感じて役を演じていきたいね。
歌による発声、身体表現。歌のアイドルだというNみのためにも。心に響く声、歌、身体表現。振付。Nみ、声、リズム感。鍛えないとね。
恒例相関図。そこにほしいのは愛情である。うまくシーンを回すだけではない、息を呑む瞬間、さまざまな感情を丁寧に追わなければ。軽いシーンの中、Y子さ んの心の動きが良かった。M本の動揺が、また作りものになってきた。心をなくさないようにね。Mケル、まず愛情ありき。Nみちゃん、人を愛すること。
以上。
そして、本日はピンター レヴュースケッチ集の自主稽古。新見助手に時間配分をして貰いつつ、それぞれに感じた疑問をフランクに話しての進行。とてもため になった。松橋さんの役の回毎の微妙な変化に、この戯曲のポイントをみたような気がした。あたしが出演する「三人の対話」を辰巳さん、見た目がくんとはじ めて読む。ストンと落ちて、目指す径がはっきり見えた。これで演出に観て貰おう。まずはスタートラインだ。
もう1本、「特別提供」はやっと落ちてきはじめた。繰り返して、悩んでいくしかないってことだね。まだ1ヶ月以上ある。コツコツと創ろうと想った。
やっぱり役者としての芝居創りは愉しいなあ。心と身体が解放していく気持ちよさだ。
明日は師匠と呑む。愉しみ。また、何かヒントを掴まえてこよう。