2010/11/08
我思う、ゆえに我あり

月曜日に素晴らしい開かれた稽古場があって、師匠の公演があって、女友達の稽古場に行って、、、迷いが湧いては消えて、そんな心境になった今週。
稽古日記を書いておく。開かれた稽古場、役者4名の参加、見学1名。メンバーをみて、今回組み立ててきた課題をそのままやってみる。久しぶりの参加者と何 回か目の参加者と常連のふたり。共通して言えることは、あたしの大好きなメンバー。そして、もっとよくなってほしいメンバー。
歩くということ、感情表現。感情の伝達、そこからの変化。4つの感情による。Aルゴスはまだ何かをしようしようとしているので、アドバイス。一気に抜け る。O様は感情の動きが実にはっきりわかる。M本、久しぶりの参加で余計なものを削ぎ落とした表現で好感。Yき、感情の切り替えがまだはっきりしない。最 後の殺意で動きをまとめて、最後に振り返りからの声。O様の表情がとてもよかったのだが、最後に言葉に頼ってしまい、弱くなる。最後にそれぞれにアドバイ スした。今回のきっかけつくり。
感情を交わし合う中から言葉を抜くことではっきり感情の交流が見えてきた。
煽り、からの格闘。感情で煽りを繰り返し、さらに表現していく。
触れないことでの諍い、争い、格闘のプロセスとして。動ける4人、集中した感情により素晴らしいシーンになる。嬉しい。
最後に大破滅を折り込み、完成。大破滅にさらに感情を持ち込みたい。
表現すること、そこに蠢くリアリズムを追求したい。
これから続けていきたいこととして、即興15連発。切らず、続けてみた。面白いだけのシーンがあったので、そこにもっと深い綾が表現できていけば尚、深まる。
ダラダラとシーンを続けるのではなく、切れのある即興の連発がここに来る役者たちを鍛えると想う。
Aルゴスの積極性に好感。声のボリュームに無理を感じた。
死。友人の死への時間、美談になりそうだったが、Yきの心地よい反応がよかった。Aルゴスの切り口もよかったが、叫びすぎたことで青春路線になってしまった。M本の反応が人間らしかった。O様のリーダーシップに心情が弱くなる。もったいない。まとめなくてよいのだ。
中毒。想像力によるリアリズム。からの共存シーン創り。面白かった。
もっともっと毒のある哀しい情景を創り出したい。
恒例相関図。変化バージョン。素晴らしかった。今までいいひとだったO様に強い愛が見えた。人を愛したことあるの?と訊いていたM本に強い愛が見えた。A ゴスから溢れるとまどいと嫉妬と混乱。よかったなあ。Yき、愛を求めているのだが、内向していき、はじき出された。もったいなかった。心にガードかな?
こうして続けてきてよかった。忘れた頃に稽古にくる役者たち。ここに日常訓練のきっかけがあり、それだけではなく、ここからたくさんの劇的を生み出してい きたい、夢が広がった。続けていて、やっと見える光明。本当に皆よくなってきている。でも、終わりのないもの。唯一無二になってほしい。
そして、皆で食事をして帰る。
翌日、翌々日は師匠の公演、百連発公演だった。タイニイアリスという大好きな、東京で一番好きな劇場で。もちろん、久しぶりに鳳さんに世話になった2日。
仕込みをして、場当たりをして、舞台稽古をして、初日。怒濤の一日目はあたしはもう何十年も鍛えられてきたので、全然平気のへーただ。師匠には本当に鍛え られたものだ。本番はもう観ることはできないので、舞台稽古を拝見。完成度が低い。正直、師匠のひとり芝居だけでいいと想った。
満員御礼。知らせるだけ知らせて、誰がくるやらで、階段をわんさかわんさか友人たちが来てくれた。師匠の葬式じゃないんだからと客入れにてんやわんやになる。
2日目。とっとと小屋入りして、客席を作り直す。これで120人は入れられる状態にする。満員御礼。師匠の最後の台詞は弱かったな。耳に残る。どうしたのかな。バラシ、打ち上げ。
翌日は女友達の稽古場へ行く。面白くなりそうだ。女優さんたちが必死で好感だった。スタッフのアンバランスに戸惑い。偶然知り合いのような、昔の縁の人が舞台監督なのをやっと確認した。いい公演にしたいね。
芝居をやろうと決めて長い年月、師匠に教えられたことは実にプロフェッショナルだと今、想う。人生、よい師に出逢うことだ。公演の終わった後、友人から メールが来る。「阿部良さんは何歳なんですか?」と。そんなこと、あたしも知らないわ。と返信。「畏るべし、阿部良。確実に100歳は超えてますね」とま た彼から。師匠はかっこいいし、おしゃれだし、賢い。師匠を通じて出逢った友も皆、センスがいいやね。

開かれた稽古場は毎週月曜日。何の束縛も致しません。
鍛えたくなったら、是非どうぞ。
濃い二時間を約束します。