2010/11/22
芝居はチームワーク

なんてベタなタイトルをつけてみた。月曜日は開かれた稽古場。松本渉さんと近藤善揮さんのための1時間55分のソネットを創っていく。役者自身の魅力と表 現と。セクハラだと言われることもあるまいこのふたりのための開放のための課題。しかし、何度も書くがあたしは宗教家でも自己啓発セミナー主宰でもないの で、すべてを観客のための表現にしていく。ふたりが開放されていった時、それは素敵な表現が産まれた。Yきの告白。M本の非難。そこから先に生まれた大き な感情のうねり。説明しようとしなくても、劇的瞬間が産まれるのだ。ダメ出しというよりさらに魅力を惹きだしていくためにアドバイスを重ねた。いがみあい のエチュード。フリークス。感情表現、身体表現等さまざまな切り口の課題てんこ盛り。最後のベットルームでは、何故か何度繰り返してもふたりとも間男にな り、パンツを履いて逃げようとするので、大ダメを出す。
とにかく、愉しい稽古だった。帰り、奥の深い、愛のある表現とも言える味噌らうめんを食べながら、座組の強みをM本がふとクチにした。あたしも、まさに、と膝を打った。ここは日常訓練の稽古場。その訓練が表現となっていきはじめている。
コツコツと。
その後の今週は局の大きなプロジェクトを進め、女友達の芝居の初日に向けて日々協力体勢を創る。友人たちに観劇の声を掛ける。
そして、今日、小道具を入れて「トップガールズ」の稽古場へ行く。
気心のしれた音響さん、照明さんと逢う。落ち着く。気に掛けないふりをしていたが、約束をしていた制作さんがいない。チケットも欲しかったが、小道具を運 んでドアを開けてくれる制作さんがいないなんて信じられなかった。あたし、何をやってるんだか、と想ったら、主宰のるみの笑顔が見えて、抑える。
稽古拝見。前回よりぐっと良くなっている女優さんがいて、やはり稽古はつよいなと想った。あたしの菅伸さんはやはり最高だった。素敵だなあ。優しくて、強 くて。稽古が進んでもアホ制作が現れないので、流石にあたしの限界点。後の予定もあったので、稽古場を出る。むかついた。気分を変えるためにその町で差し 入れを買い、バカみたいに重い荷物を抱えて王子まで。サルとピストルの初日を思い切って最前列で観る。この芝居で三浦佑介さん、サルとピストルを活動休止 だそうで。
彼の書く世界は好きだ。ただ、彼が出ていなくてガッカリした。休んでいる暇はないと想うので、今後の活躍に期待する。
終演後、父が入院していた頃を想い出し、田端で途中下車。あの頃にはなかった駅ビルで食事。偶然、石川県の料理やさんに辿り着き、父と同席しているような錯覚をしながら、お魚を食す。
輪廻は巡る。人と人は繋がっていく。
芝居はチームワーク。誰かがさぼっていてはいけないのだよね。