2010/12/06
常に挑み、悩み、前進するために。ハーフムーン・シアター・カンパニー「ピンター研究会」詳細発表

月曜日は恒例の開かれた稽古場。自由参加ということで参加者を募りながらすでに138回目となる。ただ、このところ継続して参加している役者をさらに鍛え たい想いが強くなっているので、新たな募集はしていない。こじんまりとした、地味な、本当の意味での日常訓練となっているように想う。想えば、いろんな方 が参加してきて、時には自己啓発セミナーか悩み相談所かと頭を抱えた時期もあった。でも、今は確かな舵を取れている感触だ。M本とMケルのダブルMのこの 回の稽古は、とても温かく、2人の魅力が花開いた。Mケルの告白、M本の発狂。この2作品は秀逸と言えた。怒りのスパークの課題も20回繰り返して、成果 をみた。これからもここにくる役者たちを魅力的な役者にしていきたい。それぞれの志とともに。


 さて、あたし自身がこうして日常訓練を師匠と出会ってからずっと続けてきたように、この日本に日常訓練の習慣ができればいいなと本気で挑んでいる。
吉岩先生が少し毛色の違う作品の上演から「ピンター」に切り替わった時、先生と戯曲研究のような、上演のためではない稽古がやれないのか、という話をさせ ていただいたことがあった。その頃は、あたしはこのカンパニーの制作者として、この話を聞いた。そして、役者としてあたしも参加したいわ、と言った覚えが ある。
1本を制作として、2本目を制作と出演という形で関わらせていただいたピンター作品。まだまだ、もっともっと演じてみたいと想った。
そんな時、先生から「ピンター研究会」の提案があった。二つ返事で賛成した。
昨夜帰宅すると早速概要が届いていた。
是非、ご参加下さい。発表します。
  
 ハーフムーン・シアター・カンパニー  『ハロルド・ピンター研究会』
趣旨 
 現代英国演劇を代表する劇作家ハロルド・ピンターはわが国では不条理劇として紹介され、分かりにくいとされている。しかし、ピンターが書いたのは、現実に起こりうる事件を扱った戯曲にすぎない。
本研究会の目的は、ピンター劇の本質を探り、ピンターを分かり易く舞台に乗せ、お客様にとって分かり易いものにするにはどうしたらよいかを探究することである。

内容
 ピンターの描く世界を知ることはもちろんであるが、とりわけピンターの作品を題材に、ピンターの発話行為の特色を探る。ピンターの芝居に出てくる人間は 「本当のことを言っていない」時、「嘘を言っている」時、「相手の問いにまともに答えず、わざと相手の問いとは関係のないことを言う」時、「わざと相手の 言うことが分からないふりをする」時等々がしばしばある。ピンターのこういう発話行為に俳優はどう対処すればいいのか。
   またピンター作品にしばしば出てくる「間」と「沈黙」の違いは何なのか。俳優はそれをどう捉えてどう演ずればよいのかを探究する。

運営
 ピンター劇に興味をもつ人は誰でも歓迎するが、研究会を円滑に行うために定員は10名程度とする。
  
研究会開催日及び参加費
   研究会は毎週木曜日午後1時〜5時
   東中野のハーフムーン・シアター・カンパニー事務所で行う。
* ただし、参加者の都合等も考慮して、参加者との話し合いにより水曜日に変更することも可。
 参加費用は月500円とする。これは珈琲等のお茶代、資料や台本のコピー代等に充てるものである。

〈補足〉本研究会は上演を目的とするものではないが、研究成果が上がり、参
    加者の希望があった場合は小公演も視野に入れるものとする