2011/01/17
月曜日 恒例開かれた稽古場にて。

深夜に舞い込んだ小屋入りスケジュールが俳優の調整NGを無視してひとり歩きしていてやきもき。メールにすぐ疑問を投げるが返信なし。毎日のように深夜4 時のメールのやりとりも対応してきたが、肝心な時にはメールを投げて睡眠か、と流石に呆れる。確認したい演出はもちろんお休み中だろうから、朝見ていただ ければとメールする。それでも劇場でたくさんのスタッフや役者に迷惑をかけてしまうと思い始めるとたまらなくなる。当事者の役者さんにだめもとでメールを してみたら、返事がきた。霧が晴れてとりあえず落ち着く。物事主張も大事だけれど、臨機応変で丸く回すことが肝心だと最近とみに想う。
さて、月曜日は開かれた稽古場だった。参加者4名。見学1名。稽古場は倉庫でとても寒い。寒いけれど、この空間を提供していただけていることに感謝だ。
今回は感情を温め、動かしていくために2時間で課題を考えてみた。つまり、動かした感情を心身にためて、次に挑むべく。
まずは発声から。声をもっともっと意識してほしい。四股発声による声の増殖。身体表現を伴った声の増殖。全員今の10倍、Mなは100倍の声がほしい。
続いて感情の交換からの高揚。繰り返す。ダメを出す。反応することがなかなかできない。自己完結したものではだめだと想った。Mなだけが感情ではなく状 況、事象説明、さらにここから加わったY子はやろうとすることを形にしようとしている。どちらも間違った方向。少しかみ砕いて話す。再度。M本、Mケルが とてもいい。特にMケルの心からの声は確実に観客の胸に刺さる。身体も自由になり、観ているのが愉しい。女優ふたりの動かない感情が壁となってしまう。思 わず、手。Mケル、M本だけで感情の高揚、もう1本。感情がピークをみせてもついに女優ふたりは入れなかった。とにかく感度が悪すぎる。指摘する。Y子か ら「真似でいいのか」と問いかけ。真似を否定はしない。いいよと応えた。ただ、Mケルから出る予想できない声の魅力は決して真似できるものではない。彼が 積み重ねて得た感情の実感だから。M本も今回は感情を積極的に動かしていて、やるほどに感情が柔らかになった。そういうことだと想うね。
繰り返していくうちにY子の感情がやっと動き始めた。動き始めた感情が自己陶酔や自己完結になっていくので、声を飛ばす。そういうものは観客は望まない。
殺意。殺意の身体表現。感情を持ち続けることの難しさ。Mなは感情を持ち続けた。次は身体との連動だね。
秋波。あたしは色気が欲しい。色気のある役者はいい。目線の残し方、外し方を個々にアドバイスしていく。ちょっぴり色気。さらに色気を持っていきたいね。
求愛と別離の連続表現。3本。M本、Y子、もうひとつきっぱりした別れになるといいな。Mケルの切れ加減が好き。
相関図。6連発。ダメを出しながら、感情が蠢くシーン創り。それぞれが、それぞれの心が裸になりつつあるが、まだまだ。
泣いて叫いて、落ち込んで、それでも愛して。そんなシーン、いつか観たい。
以上。一日でも早く、一秒でも早く腑に落ちて、それが表現になっていきますように。足掻いて、足掻いて、いい役者になろうではないか。