2011/01/31
感情が動き出したとき

月曜日開かれた稽古場。女優やタレントちゃんはなかなか続かないうちのハードな稽古場で珍しく女優2名、男優1名というバランスの稽古になった。男優が自 分の劇団の本公演の稽古に入るので、一応締めの稽古。感情を積み重ねることの課題を連続1時間。「吊るしあげる」課題を出して、手を打ったら、女優ふたり とものろのろと男優に寄り始めた。止める。「もしかして、意味がわからない?」異口同音に「はい」ときた。言葉の意味がわからないという場面が増えてき た。あたしは日本語しか使わないのにだ。本を読みやがれ。携帯で調べさせる。こういう無駄は減らしてほしい。
開始。言葉の意味がわかったところで表現までにはほど遠い。同時多発のさぐりあい。Y子、Mなともにダウンしていく。止める、アドバイス。2本、3本。止 める、アドバイス。Y子の口汚い言葉は相手に投げられていない。なら、その汚い言葉は意味がないと指摘する。また共存している意味を話す。3人から発する エネルギーが強くなければ、全部が落ちていく。M本のエンジンのかかりが遅い。瞬間着火がなかなかできない。やっとM本にエンジンがかかりはじめると女優 ふたりも上がり始める。
そういうことだ。連発4本、5本。次第にY子が吹っ切れてきたようだ。Mなの声、いかんともしがたい。次回は声の特訓。
続いて、M本が吊し上げる。やはり瞬間着火がトロトロ。3本目で急に上がる。毒気が出る。4本、5本。あと一息のところまでは上がったが、あたしの求めた 到達点には辿り着かなかった。Mなから悲鳴に近い声が出た。これはありだね、と言う。M本がなんらかのバランスばかりを取る時にはいいものは出てこない。
バランス感覚は大事だと想うが、役者としてはアンバランスが面白いのだよ。
アンバランスは創れるものではない。持っているものを枯らさないように。
Y子は自分を不思議キャラに創ろうとしている。そんな小細工はいらない。もっと面白く、不思議じゃなければただの人。人として、生き様として魅力的であることが大事。
続いて実感の訓練。箱。閉じこめられる。これで鍛えたいのは実感。狭さや暗さや痛さや寒さや怖さや。。どうしても形で演じようとしてしまう。
実感がなければ、それはただの空洞なのだ。
最後に声。まず、実感すること、そこから出てくる声がなければ、それ風のことに過ぎないんだよね。
犯す、犯される。M本がよかった。透明ないやらしさと毒が出た。Y子の身体表現は良かったが、中身がない。
何もないところに何かを産むのは、想像力だ。
相関図。まず、発見の瞬間のざわめきが見えてこない。あなたは本気で人を愛したことがありますか?
なかなかうまくいかないな。

今日、憧れの女優さんと話す。
久しぶりに魂という言葉を投げてくれた人。魂、揺さぶって、いきたい。
10年ぶりに再会した音やさんからうちの公演DVDの感想が届く。
寺山ワールドではなく、森島ワールドです。と。嬉しかった。
リーディングで知り合った演出さんとリーディング問答を数日。彼の稽古の報告メール、素晴らしかった。
ピンター研究会、脳みそが痺れるばかり。もっともっと稽古がしたい。
師匠がきてくれることになる。鳴呼、師匠の脳みそ勝負は真剣にかからなければ、めった斬りだわ。
だが、あたしの知的好奇心は女優としてのあたしにはあまりよろしくないことをあたしは知っている。心のままに、女優として、参加していく。

娘は絵を描き続けている。
あたしも続けていく。
観客の心を揺さぶりたい。