2011/05/02
まだまだ想像力が足うまくできない隙間を丁寧に埋めていくために稽古はあるのではないか。

開かれた稽古場。参加者3名、見学2名。珍しく宿題を出してみる。歌舞伎の名台詞。稽古前の喫茶店でM本に逢ったら、上の空で会話しながら、後半戦はセリ フをさらっていた。そうか、師匠が言っていたけれど、ちょっとした宿題は稽古場への道すがらで稽古に気持ちが向いてくれて、いいかもしれない、と今さら 想った。
発声を強化したい。声がまったくない役者の声を1から鍛えることはやはり必須だ。課題の度に「声!」と声を飛ばすより、声を鍛える方が先決だ。四股発声を 含めて、闘争の課題からスタート。つまり、声で闘うこと。声で戦い、シーンを創り、四股で息づかいを見せるまで。まず、M本、R音から。やはり声の深みと 力が足りない。鍛えるしかない。叫んでいるだけでは声は強くは聞こえないという根本。Y子が到着したので、あたしも入りスタート。自画自賛するが(笑)あ たしの声にみんな埋もれてしまうんだよね。鍛えて強くしてください。先に進まない。厳しいけれど。シーンも声ができていないので、叫んでいる音としか聞こ えず、シーン以前。言葉が聞こえないわけだ。最後の息づかいへの移行もうまくない。声を手に入れてほしい。
続いて、歌舞伎名台詞を使った発声、及び身体表現。様式美を意識して、リアリズムアングラの様式美を作れないものかとこれはずっと拘ってきていること。 いっそのことと歌舞伎の台詞を採用してみる。冒険だ。これはリアリズムの言葉であることを前説してはじめてみる。一度も歌舞伎を観たことがないというR音 も言葉をしっかり捉えたので、なかなか。M本が身体、声、内容を意識できてよかった。これから形になっていきそう。台詞のスピードに様式を話してみる。Y 子がドツボにはまってしまい、三すくみ状態となる。原因を聞くが、応えず。アドバイスして、繰り返すうちにM本、R音は面白くなってきたが、いかんせん、 三すくみのY子ちゃん。ミザンスを強制してみる。あちゃ、だめですか。またやってみましょう。
感情の交換のための心情吐露の課題。2連発。シーンを創ってしまうので、止める。感情を交換することを再度説明。少しずつできてはきたが、演劇としては まったくなにもない。心を剥がしていくことは役者稼業には必須だと想うので、それぞれに手だてを探し続けることしかないね。
号泣。3人とも2本目でよくなった。細部にアドバイスする。望むらくは本物の涙、涙の洪水なの。待ってます。
別れと出会い。連続したシーン創り。はっきりした感情が見えてこない。そんな感じ、とかそんな風なことはつまらないのだ。Y子の笑顔は好き。
劇的を意識してほしい。ごっこ遊びのシーンは勘弁。
2組。M本の決めがもっと強く出てくればいいんだが。
ひまわり幼稚園。まあまあ。これ、しっかりやれたら面白いのだ。
実感をするためにうんこのエチュード。え、と、まあまあ。
以上。
小人数なので、それぞれにアドバイスできる良さはあるが、いかんせん、勢いに欠ける稽古だった。
役者になる、なにが何でも本物になる、ずっと続けていくためには敢闘精神しかない。飛ばしたいよ、もっと、もっと。
以上。