2011/07/18
開かれた稽古場作品集 「極」

今週も開かれた稽古場だった。いつものように、日常訓練の稽古場に、いつものように足を運ぶ。ただ、今回は15年来の旧友たちとの再会をあたしの稽古場で果たせたという、継続は力なりの象徴のような日になった。
旧友はうちのDubさんの大ファンらしく、ツイッターの相方経由でたまたまあたしを発見してくれたという縁はあっちでこっちで繋がるものだ。
さて、稽古は旧友3人のうちひとりは女優なので、うちの規則通り、参加して貰う。
参加者4名、見学3名、音Dub で、また新作に挑戦してもらった。
「極」 作・演出 森島朋美
追い詰められていく人間心理を追う。
音との共鳴。
たまにしか参加しないI川さんは明らかに力量不足。これを補うものは理屈ではなく、稽古を繰り返すしかないと話す。
初参加のH子は、ストッパーがかかり続けて、リアリズムを中途半端で表現してしまうので、これも稽古を再開してほしいと想った。ただ、生き様なのか素材と基礎力があるので、面白い存在だった。
R音はここに来たことで、よかったと想う。ダメを出せば、速やかに修整できる。そして、それがすべてよい結果に繋がっている。独自の表現に辿り着くまで、続けることしかないだろう。
山田ジャパン 松本渉の進歩は著しい。やっとなのか、ここからが愉しみだ。稽古場の表情豊かな表現の数々が、本公演で観たい。この進歩はきっと山田演出も見逃さない気がする。
最後の幕切れシーン、「殺意」が全体的に弱かった。まとまるのではなく、失速した状態で幕を切りたい。残念。

40分の作品をなんとか止め止めで最後までいく。肝心なのは、この作品創りの中で役者それぞれが記憶をもう一度想い出すことだ。
すべての稽古はやりっぱなしでは、先に進めないとあたしは考える。
明かりと音の中で蠢く役者。音については、まだまだ詰めていくだろう。

観客は非常に面白がってくれた。
こんな芝居は他にないですよね、と。そうね、そういう芝居を創っているから。

他に
小品として煽りと懇願。
恒例相関図。これは面白くはあったけれど、心情が薄い。言葉に頼れば頼るほど、感情が見えない。
R音の笑い要素も、もっとはっきりした心情が見えた上でこそ、活きるのではないか。
M本のキャラクター(役作り)がぶれなくなった。進歩。
以上。

月末まで芝居仲間たちの初日が続く。
今日は愛すべき三浦佑介作、演出 初日。
語るに落ちたくない、優作からのたくさんの縁がある原田芳雄さんが死んだ。
今夜はお通夜との報せを貰った。
ご冥福を祈りつつ、
さらに精進していくと誓う。