2008/03/24
感情がくすぶる

本日、開かれた稽古場。参加者のそれぞれに公演予定が入り、それぞれにそれぞれの現場で頑張りはじめた。明日からかダンサーも本番という。
そんな気の流れもとても嬉しい。こちらの参加者は地道に7人、見学1名にいつもお世話になっているカメラマンのB河さんが「お礼に」と稽古場にカメラをさげて来てくれた。Y岩さんが繋いでくれたご縁の賜。ありがとう。
日中はダンスの振付、池袋にて。新しい音が出来てきたので、稽古までの少しのつもりが踊りまくる。あ、と気づけば5時、慌ててシャワー。開かれた稽古場へ。イメージをもって歩く。今日はあたしも歩いてみた。変形の空間の面白さ。人いきれが全身を刺す。非常に刺激的だった。今日はこの最初の参加で、イメ−ジというのか、内面世界なのか、風景なのか、あるいはその俳優個人の持つエネルギーなのかの違いを肌で感じた。空間の狭い通路ですれ違うときにぶつかるものが欲しい。イメージをみるという漠然としたもの、わからなければ、風景でもある場所でも、砂の上でも水の上でも、イメージしやすい想像を広げてみてはどうか?伝わってくるものが足りない。我々は表現者なのだから、の自覚だ。もっと研ぎ澄ましてほしい。怒り、憤怒、押さえきれないほどの怒りをもって歩く。全身から湯気が立つような、見えない。湯気が立つ、怒りが噴射するはずだ。足りない、足りない。Eながよかった。ぶつかり合う。反応、反射神経がもっとほしい。初参加のAぼさん、きっとどこかで芝居らしいことをやってきたのだろう。最初からそれ風のことをする。それ風のことばかりの芝居が多いから、いやなのだ。芝居、演劇ってそんなことではないのだ。
気持ちを動かす、それがまず、してほしいことだ。
怒りをぶつけ合う。それぞれの違う怒りがぶつかったときのいらつき。相変わらず、Nちゃんは出てくるものが安定している。あたしは、そこにあるもうひとつの壁が破りたい。きっとみたことのない魅力がつまっていそう。
Eなのいらつきはいい。しかし、持続しない。ひとつの方向にもっと向かっていけ。アクティングエリアで怖じ気づくな。Mもとは随分と感情が動くようになった。次はもっとその感情を丁寧に動かす細かいところへ上がってほしい。身体と感情は連動しているはず。その蝶番が固い。身体についた前屈みの癖が取りたい。Yきは、とにかく頑固だ。どうすれば、柔らかくなれるか、真っ正面から自身を見る勇気があればいい。かっこわるいことは、かっこいいのだからね。H積さん、殻が固い。せっかく遠くからくるのだから、何とかしてまず殻を破ろう。覚悟。そこに留まらない覚悟が必要だ。
全員、呼吸をしていない。呼吸は大事だ。一緒に歩くと息苦しくなる。感情の波がもう少し身体に出ないものか。連動だよ。
声がなし。まったく。
発声、ブリッジによる声の強化。 H積さん、まったく発声ができていない。声が弱い。Nちゃん、柔らかく、強い声になってきた。Yき、発声が中途半端だと想う。もったいない。ここで再点検してきてほしい。M本、身体は資本だ。少々風邪気味が多すぎ。せっかく声が出始めているのだから、身体を鍛えて欲しい。初参加のA保さん、声ができている。これは鍛えがいありじゃないか。
武器になると想う。N山さん、だいぶしっかりした声になってきた。Eな、身体能力の高く、声もいい。さらに強化だ。ここから、Mきちゃん参加。久々外郎売りを。一文づつ渡していく。あまりにのんびりまったり。腹筋もつるだろう。スピードアップ。なかなかスピードがあがっていかない。Eな、なまりはいいから、つっかえないで読めるように。そんなことより、とっとと覚えてくれ、みんな。歩きながら、外郎売り。声を聞き分ける。繋げる。やらなければならないことが増える。リズム、リズム。寺山修司はリズミカルなのだよ。
爆笑エリア。本日、初挑戦。笑い転げる様。笑いがとまらない様。全員同時に。笑いはいい。広がりがある。明るい。見ていて、笑いが込み上げてくる。あたしはこういうことがやりたいのだ。Aほさんの爆笑、に各自、加わってシーンを創っていく。Aほさん、笑いはとてもよかった。止まらなくなる。M本が加わる。加わるアクションはよかったが、受けず。止める。シーンはどんなシーンも予想を裏切って広がって欲しい。予定調和はつまらない。
再度。うまく回る。Eなもうまくドライブ。そこに何があるのかわからないけれど、何かがみえてきた。釣られ笑い。このシーンはよかった。もっと他の人たちも積極的に加わっていけばよかったのに。
声の増殖。声を増殖させていく。息、身体、声、内面世界の増殖だ。それぞれがときに技巧的になるのが残念。何かをするのだけれど、そこに常にイメージを伴走させることがコツだと想うよ。結果はよかった。誰がどうではなく、シーンとしての爆発。全体像が見えた。これはもっと火を噴くおばけのようなシーンにしたいよ。
エチュード連発。プロポーズ。今日は少人数だったので、連発。まず、パートナーを指名して、プロポーズ。これも見たいのは課程より火柱。熱い想い。
Eなはやや熱。内向するものも強いので、それが溢れる時がくるといい。クールだったM本が少しずつ熱くなっている。止まらないでほしい。
Nちゃんは温かい。これを熱い、やけどしそうな熱いにしてほしいな。 Mきちゃんは今日は、くすぶる。集中力不足?
愛情表現、見えない相手に。見たいのは火柱。熱い愛情。不発。見る柱を指定してみたが、それも叶わず。ただ、温かく愛が見えたのは、Nちゃんのみ。
リズムに乗って歩く。スタイリッシュにいきたい。実はダンスシーンだ。しかしだ、鈍くさい。なんでやねん。と止めたくなる。一度ずれるとリズムが狂う。まずリズムに乗ってからの変化球じゃないと無理だよ。どうしても盆踊りになる。おい、おい。リズムにのって、歩く、まずはそこから。原点に返ってみて。リズムに乗れたら、楽しいはず。M本はいい。Nちゃんはもっとかっこよくなれそう。はじけてほしいな。Yき、固い。この俳優から理屈をどう取り除こうかとダンスで感じる。H積さん、A保さんリズム感なさすぎ。日常からリズムに乗って生活をしてほしい。N山さんはスタイルもいいのに、はりきりすぎてリズムに乗り切れていない。もっと楽に。Eなはリズム感はいい。そこで落ち着かずにスタイリッシュを探してよ。
身体に音を取り組む訓練。本日は参加してみる。しっかりフロアにて。刺激的かつリズミカルな曲だった。一気に体内リズムが生まれる。身体が動く。楽しい。しばし、没頭。後半部分、やめて見る。リズムにのっていくのもよし、これが乗れていないから。苦笑。Nちゃんは前回あたりで何かを掴んだのか、またよくなった。もっと楽しんでね。M本もいい。けれど、さらにというたかみまでは上がれずじまい。もったいない。A保さん、初参加、初体験。何かをしようとしているのだれど、できていない。聴く、その音に身体を乗せる。そこから。Mきちゃんは感覚がいい。そのまま、いってみて。
Eなは、わかっているのだ。身体が動き始めるといいだろう。Yきは他にイメージを追っている。違うの、音を身体に入れてしまうのよ。
H積さん、少しだけ身体が動き始めた。もっと。待っていても何もでてこない。
号泣エリア。全員で。号泣から真空、狂乱、泣き狂うまで。Eな、Nちゃん、Yきはすぐスイッチが入る。そこからが勝負だ。Yきは持続せず、非常に冷めて見える。Nちゃんは堅実すぎ。Eなは身体との連動が不足。その不自由な手足、そのうち何とかなるだろう。泣き続けること。A保さん、泣けているようで実は芝居。うむ、違う。H積さん、泣けず。そんなに動かないのでは稽古にならない。呑気すぎ。Mきちゃん、ドライブが遅い。
エチュード連発。カップルからシーンを広げてみる。各自、何かひとつはっきりした感情を持って。M本が嫉妬?で加わるが、いつのまにか花見シーン。あ〜、日常、何でもない会話。つまらん。難しかったかな。再挑戦。
ベッドシーンエチュード。恋人が他の人とベットインしている現場に遭遇する。見たいのは、発見の瞬間。そして、その連続。瞬間がみえない。Eな、その後は今日はいったね〜。その調子だ。発見の瞬間はだめ。
Mきちゃん、A保さん、H積さん、つまりね、そのスイッチの入りどき、が見えないのだ。そこが演劇的瞬間。乱暴な言葉は少しの勇気があれば、簡単なことだからね。Yき、瞬間。発見、ができていない。基本だよ。即座に身につけるべし。Nちゃん、彼は怒りのベクトルがかならず女性に向く。非常にコワイ。それは、いい。新発見なのだ。この俳優のこの火の部分がもっとほしい。
恒例相関図。人数が少ないのに、荒削り。もっと関係は濃くできる箇所が山積み。いくつかのグループにわかれてしまう。愛情、嫉妬、恐怖、ためらい、悲しみ、裏切り、もっと想像力の鳥、高く、飛ばせて。
本日、稽古場は熱かったけれど、成果としてはくすぶった日。
稽古後の呑み席で少し話す。感情袋を増やすこと、それがあたしたちの役目ってこと。理屈はいらない。