2007/10/29
感情の繰り返しから生まれ出るものは、やはり感情だということか

本日、開かれた稽古場。稽古場を変態公民館に移しての稽古だった。まず、不思議な空間のど真ん中の赤い階段があたしの血を踊らせた。ここで続けていこう。空間に身体が溶け込む。階段上もいい空間で、ここを使った訓練も考えよう。
さて、本日もまず、音に身体を合わせる稽古。これは踊りではないこと、身体を楽器にしていくこと、参加の俳優に話す。どうしても何かをしようとしてしまうことを今日はやめようと言った。まず、音に正対して立つ。音が身体、筋肉に響いてきたら、身体を反応させていく。あたしも参加。それぞれが、音を感じようとするアクションが生まれた。音を聴くことができるようになった。五感の集中を目を閉じることで補う。これは、視覚を遮断するので、今日は目を開けることにステップアップしてみる。やはり、目をあけることで身体の集中が抜けてしまう。これは、繰り返すことだな。リズム感も養われる。
次に動きを他の俳優の動きと連動させる。他からのリズムや肌のぬくもりや重さを感じること、叶わず。それぞれに伝達し、伝達されることなのだが。次に声を発してみる。どんな声でもいいのだが、なかなか声が出ない。声をもっと使ってほしい。それぞれの声の可能性を身体と音にのせてほしい。
今後の課題だ。
発声強化。この稽古場で、強い声をそれぞれに作りたい。声は要だ。どんな広い倉庫でも、もちろん劇場でも、いや、目指すは野外かな、豊かに響き、通る声を作ろう。鳴呼、毎日家で声を出して欲しい。これ、習慣にしようよね。
Tの声がへなへなで情けない。
それぞれの声に合わせた秘密訓練。何年か先まで続けたら、誰にも負けない声を持てると想う。
続いて、感情エチュード10連発。今日は、同じシチュエーションを繰り返す。作劇、進行よりもそれぞれの感情を追うことに拘る。
今日は設定を創る。4股男。女優の感情が口先から出る。ひとりの女優が最後の繰り返しで、走って男に抱きついた。感情のピークも急に早くなり、涙も出る。必死の形相。綺麗な女優だけに非常に美しかった。
本物の感情は思いがけない副産物を産むのだな。
続いて、形を変えて愛情の伝達。愛情の伝達は小手先ではなく、太い感情のビームだと想うが、みな続かず。受ける俳優は、感じる稽古だ。
太い、無駄のない感情の伝達。まだまだだ。ノック続行。
次に、泣く。それぞれが泣く。目指すは号泣と説明する。
あたしも参加する。感情がすぐに上がる。涙が出る。なので、あたし自身はそれを声にするというところを探ってみた。
それぞれのプロセスは見ることはできなかったので、自分の胸が哀しいなり、悔しいなり、泣くに繋がる感情で埋まったか、それぞれに検証してほしい。
手を叩いて、見た俳優たちは皆、涙を流せていた。これは素敵。
最後にセリフ、用意した長セリフを一人ずつの予定が、まず声が出ない。やはり、声の必然性を感じる。輪読に変更して、声を出すことを要望する。
まだ、出ない。言葉が床に落ちていく。叫んでみる。叫ぶことは腹筋を鍛える。声も鍛える。しかし、弱いな。来週からも引き続き。
あっという間の2時間。得るもの多し。