2012/05/28
演劇で革命が起こしたい。けれど、演劇は暴力に非ず。

ある若い劇団が観客席と舞台の融合を謳い、客席に上げた女性の観客の胸を鷲づかみにしたとやらで社会問題になっている。ついったーに飛び交うさまざまな言い捨てつぶやきの中には、予想通りに寺山演劇がたとえとして飛び出したりした。
この劇団は娘が面白いらしいと観にも行ったことのある劇団ではあるが、あたしは未見。知らずに何も言えないかなとも想い、動画を追ってみた。ダンスの好きな少女たちという印象の弾けた映像が沢山上がっていた。
演劇に答えはないだろうし、新しいものを産み出す課程には破天荒は必要であろうと想う。
しかして、あたしはハプニングはハプニングが虚実の境目になければならないと考えてきている。
親友の卯月妙子が漫画を出して、何故だか演劇で関わりを始めたあたしは叩かれている。そんなことは覚悟していたので、どうってことはないけれど、何より切ないのは演劇がまるで暴力のように想われてしまっている偏見だ。
たとえば、彼女と我々が創った芝居はハプニングを試みた。しかして、そのハプニングには繰り返して繰り返して積み重ねた稽古と調整があったのだ。
涙腺を引っぱることと同様に観客の開かない抽出を開けようと試みることもある。
しかして、それは決して思いつきの上には成立していかない。
演劇にしかできないことを、探っていく。
月曜日開かれた稽古場。今回も3名の出席者と共に作品を創った。駄目出しや課題はそれぞれに伝えたので、覚え書き。見学 1名。
「メリーゴーランドの馬に乗り、刻むビートは止まらない風車」作・演出 森島
リズム Dub 出演 松本渉・マイケルリュー・S木S美
過去に遡り、過去を変えていくとしたら、あなたの人生はどう道筋を違えていくのか?
さまざまな年齢に立ち戻り、そこで出逢うさまざまな死の場面。その先の人生を追った作品。それはグルグル繰り返される人生でもあり、人生論でもある。
稽古の後に松本から受けた質問に答える。即興で演じていく役者目線の質問。あたしは本を細かく説明した。台本を渡して創る芝居ではないので、今後もこうした質問や疑問は稽古の後に話を補足していくことを決めた。
初心のS美ちゃんは息を上げながら、何とかこなすが、果たしてどの程度の実感を伴えているのか、が課題を提出するあたしの課題でもあろう。
続いて、奇妙な部屋。無対象の登場人物5名を加えた。まあまあの反応。Mケル、最高!いいのよね、このむちゃくちゃさ。M本が全般的に巧くなってしまったので、このあたりに警鐘を鳴らした。
巧い役者より面白い役者が素敵じゃないか、と。
あれができれば、これが消えていく。あたし自身も時折己に警告することであるが、この葛藤が役者稼業の醍醐味でもあるよね。
あれとこれのアンバランスがよいバランスになったとき、きっとそこには面白い存在が産まれるのだ。わかるかな?
それがきっと唯一無二の存在感という奴だ。
最後にやっとできた恒例相関図。2本。はっきり感情が動いた時、素敵な愛のシーンになる。繰り返して、埋めていこう。
以上。
ちょっと北海道にいってくる。友達のお笑いライブを観にいくのだ。前乗りで、娘の大好きなNACKSツアーも。夜が明けたら、ちょっと息抜きしてくるね。
もちろん、お笑いライブを観たら、帰るので、月曜日は通常通り稽古しますよ。

演劇にしかできないこと、
探していきます。
参加自由。