2012/09/17
開かれた稽古場日記。新作「心が叫ぶから、奪わせていただきます。」究極の愛情の問いかけとして。

開かれた稽古場より帰宅。今回はライブ帰りのDubちゃん、搬入作業中の娘と合流しながら帰ってきたので、やっぱり午前様。ご苦労様。今回は新作「心が叫 ぶから、奪わせていただきます。」作・演出 森島 選曲、音 森島、出演 M本、Hで、Y子、M子、Nみの5名。激しい感情、愛情、独占欲、嫉妬、葛藤、 懇願を描いた恋愛群像劇である。冒頭部分のみ公開する。さて、作品をしっかり書ききるとやはり1時間越えになる。途中何度か止め、修正しながら進めてみ た。感情が動かないと先に行けばいくほどに失速してしまう。奪うほどの愛。そして、それはまた奪われていく。奪われた時の衝撃が全体的に弱かったので、ラ ストシーンの叫びや嘆きがまったく足りていない結果になってしまった。言葉というくくりで台詞を捉えるとN美が自然に言葉を発することができて、よかっ た。その台詞がラストへと繋がっていきたかったが、ラストに火柱が立ちきれず。休憩を挟んで、再度ラストを修正し、創り直してみた。何度か止め、上がって きたので、これを繰り返し、繰り返しで仕上げていきたいと感じた。純度の高いかけひきのない愛情物語をなさけない姿で幕とし、見せたい。
M子と観劇の感情表現の話をしたかったが、宴会とかで帰ってしまった。感情は表現ではないと想う。心を動かすのみ。そこから、零れるものでよいのだと伝え たい。まったくできていない。観劇のmemoを読むに、何かを勘違いしていないかと想っている。Hで、M本はアドバイスにより引き出る以前に自発的にラス トの感情が産まれてくれないとな。甘い。Y子の冒頭、仮面の舞、足腰を効かせれば、もっと決まる。冒頭を少しY子に従わせてみたら、なかなかいいシーンに なった。これも同様、足腰入れてと言われなくても、自発的に足腰は必要かと想う。

使用曲 グループ魂テーマ・ラジオ体操第1・Bd発言(スチャダラパー)
台本冒頭のみ公開。

「心が叫ぶから、奪わせていただきます。」 作 劇団羊のしっぽ

 身体を振り乱し、登場する男、女。本能を剥きだしにした男、そして女。
 全裸。明かりはそれをぼんやりと映すに留める。明かりが次第に明るくなる中、個性の ない衣裳を身に纏って い く。仮面の舞。次第に行進の態。男、あるいは女は、そ れぞれの居場所にしゃがみ込む。音、途絶える。
 ゆっくりと両手を下ろすと満面の笑み。無気味。
 太鼓。正気に戻っていく男、そして女。
 静寂。

(ユニセックスな台詞として)何?きこえてくる音、何の音。隣の部屋の話し声か?静かにしてくれないか・・・その歌、好きになれないんだ。止めてくれない か・・・そう言えば、さっき、・・・いや、何でもない。腹が減ったな。何か喰う、貪り喰う。あれを喰いたい。あれだ・・・どこまでも吹く風、うるさい よ・・静かにしてくれないか。パソコンが壊れて、音がきこえない。きこえない、ちょうどいい。無音世界のノスタルジー。メロンの果汁をすすりたいんだな。 舌がザラザラする。このザラザラした舌で・・・・
何?あの音、何の音?苛つくな。あのキャスター、押しつけるなよ、それはあんたの傲慢だよ。何?きこえてくる音・・・蕎麦が喰いたい。あの耳障りな音が 今、恋しい。あの耳障りな、ザワザワとした音を聴くために、蕎麦が喰いたい。舌を絡めて、キスがしたいの、、、、何?あの音、

 長い沈黙、あるいは夢想。

雨・・・

 唐突な暗転



他に「お国言葉」で日常シーン作り。大阪弁のNみが魅力的だった。美しいルックスと大阪弁の均衡が好きだ。M本の大阪弁にして大阪弁表現は、武器になりそう。Hでの松山弁も面白い。開放の稽古として。愉しく終わる。
以上