2013/01/21

珍しく呑みの稽古帰り。藤川千景に振り回され、無事帰宅。笑。開かれた稽古場は初参加の出来る女優さんの参加で上げて貰えたが、作品の全体の出来としては いまひとつだった。あたしたちの記憶、その記憶は一体何だろうか?そういう芝居。それぞれに次の課題ができた感触。だいたいこんな感じ、で進んでしまうと それは、どんどん芝居を軽くしてしまう。どうせやるならとことんまで、言い続けて言い続けて、さらに言い続けていきたい。今回は映像の花が欠席だったの で、音のDubさんが映像も押さえてくれた。あたしを映した映像があって、これが笑える。でも、秘蔵する。
稽古台本を公開する。参加できなかった方もどうぞ。参加者6名。

「SENCE」作・演出・選曲 森島 音・音操作 DubMasterX  出演 武田光太郎・玉井英棋・石渡陽子・マイケルリュー・藤川千景・岩崎有子
☆今回の動画は火の中の苦しみ、あがき、苦痛。身体表現。 使用曲 Bernard PurdieGroove


客電OUT
暗転の中 心臓の鼓動。あまり大きくなく流れていてほしい。
ぼんやりとじりじりと明かりIN
いくつもの四角い箱。静寂。箱の中に人々は5年、暮らしている。
(うすくお経がきこえてくる。)
母の死。葬式。線香の香り。お経を聴きながら、幼かったあの頃を想い出していく。
箱の人々は、感情をかみ殺さなければならない。追憶のみを淡々と続けている。
「小さい頃、父と母が言った言葉は、僕の未来に夢をくれ続けた。母はいつでも笑っている。父は母と僕の顔をぼんやりした顔で
見ていた。僕はときどきあれ?と思ったのだけど、いつも僕は思考を止めた(やめた)。そうすることで家族のバランスを保っていることを知って いた し、母の僕を締めつけるような愛はうっとおしいものでしかなかったから。父がある日から居なくなった。ある日、あの日。僕は・・・・記憶なんても のは、身勝手なウソである。」
「ウソと知りながら、記憶を作り続ける。ウソにウソを塗り重ねて、古い写真は全部ウソだ。記憶のウソだ。」
「母が死んだ。皆が泣いている。僕も泣かなければならないのだ。またこれを記憶に加えていくために。」
泣く。哀しくて、やりきれなくて、苦しくて、泣く。
煙。匂い。肉が焦げる匂い。使用曲 サラ・ブライトマン「Time To Say Goodbye(2003Version)」 http://www.youtube.com/watch?v=vl6h7UWo1_Q
箱が燃えている。熱い。
(つぶやくように)「火事だ」
(叫ぶ)「火事だ」
様式的に箱を突き破り、立つ。あたり一面、火の海となっている。身体が燃えていくのがわかる。
が、それは苦痛ではない。
他の人々に気づく。
苦しそうにもがく姿に見えてほしい。
「消えてしまえと、僕は思う。」
火の中の苦しみ、あがき、苦痛。身体表現。 使用曲 Bernard PurdieGroove
http://www.youtube.com/watch?v=A9jXALaMy4o& playnext=1&list=PLBEC258229E390D75
「見てしまった」
父と母の激しい痴話げんかの態。殺意。母が父にクリスタルの花瓶を投げつける。花瓶が砕ける。破片を拾い、母が父の目を刺す。
父が息絶える。母がみている。振り返ると
あの時の僕がいる。反応。
平静に戻るまで。
「あの日から父は居なくなったのだ。」
歩き出す。ごく自然に街頭を歩けばよい。時折響く音。使用音http://www.youtube.com/watch?v=KN4nV63p7eA
音が響くと記憶が戻り、痙攣する。
「記憶はウソである。だからこそ、こうして生きていける」
笑う。笑い続けるうちに意識が混濁し、泣いていたい。
身体表現 使用曲 
真夏の夜の夢より
http://www.youtube.com/watch?v=yQyfdDHrHoA
感情が頂点に達する。呻き、あるいは悲鳴。
記憶の崩壊。人間の崩壊。
四方から追われる。追い込まれて、箱に閉じこめられていく。
「ほっとした。四方の壁、四方世界。僕しかいない。ここでは、、、、あの雑音さえなければ、
僕はここで記憶を消していく。」
「あの日から父は居なくなった。そして、母は死んだ。僕は」
(老いた声で)「たぶん、87才になるはずだ」
「老いても老いても、記憶を作り続ける。もういやだ。」
静寂。
記憶を失っていく老人たち。

身体表現。忘却の果て。使用曲 ショパン 『葬送行進曲』 パハマン
http://www.youtube.com/watch?v=3VdGcQsPHNU
無表情になる。恍惚の顔。明かり映す。
暗転。
「あなたは一体何者なのか?」
静寂。
「誰だ。」

客電。

他に@ディベート 3題。なんだかなあ、の論点ボケ惚け。まず自分の論理を組み立てること。恒例相関図。まず、話の流れより、その環境で素直に反応することだ。またまた愛のないシーンになってしまった。はあ。