2013/01/28

開かれた稽古場より帰宅し、動画編集をして貰うのを横で見守る。笑。今回は前回の「SENCE」をもう一度しっかり創ろうぞ、宣言したのに、来ない。執着 心が足りん!!ようこだけはちゃんと来た。というわけで、積み重ねることができたのは、我々裏方とようこのみ。今回はまず@箱の中で5年暮らしている、と いう幕開けのイメージと体感をしっかり創るところから食い下がってみた。暗転、板付き。箱の中。
ここまでを繰り返し、時間を取る。ここで空間に入り、あたし自身もそれを実感してみた。もう一度客電落ちから開始。母の死の感情、そして、その感情をぐい と押し込めるまでを3名の出演者が落ちきるまで、返す。追憶になり、なつかしく母と過ごしたあの日々を想い出し、それが温かい感覚になるまで、返す。細か く迫って創ると細かく心が蠢き出して、三人の出演者が活きてくる。ようこが感情を懸命に抑え込む。とてもいい。苦しくて、抑え込んだ表情が固まる。ここは 今後練り上げたいね。
台本の言葉は塗り替えられた記憶を暗示する。記憶はウソと言い切りたい。それは己を守るためのメッセージでもある。火に燃える身体、熱さ、苦しさ、苦痛、 恐怖、これをそのまま身体表現。とてもいいものができた。何かをやるのではなく、自然に身体がのたうった。それこそ、@身体描写だ。ゆきも松本もようこも 素敵だった。それぞれが他者をみて、それが己の苦痛になる様、そこからの苦痛、苦しみ、身体表現なので、共存していきたい。ここはもう一練りかな。
火の中で見る、過去。父と母のシーン、もっとどうしようもない感情からの殺意に丁寧な移行がみたい。殺意のための殺意であったかもしれない。花瓶を投げつ け、それが割れ、その破片で夫の目を刺す。ここまでは落ち着いてはいけない、片時も一瞬の熱病のようなシーンまで昇華したいね。それを見てしまった、自 分。ぐーんと抑え込んでいかないと。感情の呼吸がまだ浅かった。もっと深くなりたい。
一生の記憶を忘れていくことで、狂いたい。空白の心、真空の心。もっと極めたらよいものがもっと出るだろう。音も今回は探求し、よく芝居を観てくれた。常にこのスタンスで頼む。
よい出来だったので、稽古場でお願いしたことはクリア、次のお願いを記しておく。
出演 松本渉・石渡陽子・田山ゆき
音 DubMasterX
☆老人たちはすべての記憶をなくして、彷徨い歩く。そして、幸福感に充たされた恍惚の顔になり、暗転、 本日の動画。
とても静かないい芝居になりつつある。
さらに、恒例相関図、2本。1本目があまりに日常的でつまらない。スパークの箇所を指示して、2本目。劇的に近づいてきた。
以上。
繰り返すことで産まれるものを発見する。詳しい説明によって、理解が深まることを知る。案配を考えつつ、さらに精進する。