2013/05/13

開かれた稽古場より帰宅。食があまりよくない(浅草橋は天国だったなあ)地域で前回今回ともにクリーンヒットのらうめんを食べてきた。美味しい九州らうめんだった。さて、自由参加の我がジムに久しぶりの女優参加。「やっと行けます」のコメント。参加者3名。見学(撮影)1名。今回も死生観を問いかける作品作り。身体表現を軸にして、3曲。田山ゆきが素晴らしい開放、素晴らしい出来。言葉のひとつひとつ、書いた甲斐あり。もう少し声ができるといいなと欲は湧くが、まずはウソのない言葉でありたい。声は生涯の課題としておくか。桶が魅力的になってきたが、今回は女優の圧に押され気味だった。後半の台詞で感情が動いてからはとてもよくなったね。千景は弱い。想像力の羽を広げられるまで、訓練訓練だね。無理をせず、続けていけばよいと話す。ひとりひとりに話すこともできたので、それぞれの課題を見つけてよい風が吹きますように。
台本公開。
★動画は身体表現「おわれない」×言葉の部分。
今回の身体表現は三作ともよい映像が撮れたが、森田童子の曲と台詞と身体の絡み、それによる感情の絡みを試みたかったので、この部分にする。(と想ったら、動画が大きすぎて深夜の編集中。時間がかかるので、まず他の動画にする。音のない静かなシーン。)

『黒く塗られたそれをじっと見る。変幻自在の真っ暗闇は、われの身体(からだ)を透き通す』
作・演出・選曲 森島、音操作 Dub ,出演 藤川千景・田山ゆき・桶谷健司

客電落ちる。
明かりが入る。人々の影が蠢く。
静止する。ひとりがつぶやく。「影」
再び蠢く。それはニョキニョキと手が伸び、何かを探している如く。
静止する。「黒い世界」(つぶやく)
人々がゆっくりと足踏みを始める。
ゆっくりと明かりが入る。
静止する。
「何もかもがうまくいかない。何もかもがつまらない。何を食べてもジャリジャ
リとした嫌な味しかしない。つまらない、つまらないと毎日考える。め んどく
さくなって、電車に飛び込んだ」
身体表現。「おわらせることができるなら」
使用曲 Tech&PsychedelicTRANCEMix with Numark Omni Control  by 
DOCTOR(森羅/鵺/ノイタミナクオーターズ)  
http://www.youtube.com/watch?v=2emBjVcxEKs
グルグルと世界が回る。真っ暗闇が襲ってくる。人々の悲鳴を聴く。
それらが次第に混沌としていく。
「暗い」「黒」「黒く塗られていく世界」激しい痛み。
悲鳴。のたうつ。次第にそれは蠢きになる。ニョキニョキと手が伸びる。
静止する。足踏みする。歩き出す。ゆっくりと歩く。
静止する。
1枚の絵。黒い絵。その絵をじっとみる。「黒い絵。真っ黒の油絵の具の集合
体。じっとみていると泣けてきた。」
絵をみている。
恐怖。足踏みする。歩き出す。ゆっくりと歩くうちに心のネジが外れていく。放
心と混沌。
身体表現。「おわれない」使用曲 森田童子「たとえばぼくが死んだら」 http://www.youtube.com/watch?v=7xDMgOQygmQ
「おとうさん、おかあさん、ともだち、あいするこいびと、だいすきなほん、だ
いすきないろ、だいすきなまいにち、だいすきなけしき、だいすきなだ いきら
いなことば、しのせかい」
ゆっくりと歩く。「暗闇が覆いかぶさってくる。少しだけ、悔やんだ。暗闇に何
かを見なければならないと瞬間考えた。何かが身体をはね飛ばした気が す
る。」蠢く。ニョキニョキと手を伸ばす。
「ほんとうに、死にたかった。ほんとうに、生きることがいやになっていた。」
静止する。四方から壁。小さな箱に閉じこめられていく。
「暗闇の奥の闇。これは何色なのだろう。確か結婚をしていて、子供がふたりい
た。で、何年か前に誰かが死んだ。あれは誰だったのだろうか。自分と 誰かの
関係性が今はもうわからない。あれは誰だったのだろう。想い出す、あの感覚。
そう、とても哀しかった。とてもつらかった。泣いて泣いて泣い て泣いて、息
ができなくなって、このまま呼吸をすることをやめたいと。確かにそう想った。
でも、あれは誰の・・・・」さめざめと泣いていて欲し い。
蠢く。ニョキニョキと手はあがく。壁が消える。安堵し、微笑む。
歩き出す。出逢う。じっとみる。手を伸ばす。
「逢いたい」見つめ合う。
歩き出す。出逢う。じっとみる。手を伸ばす。
「逢いたい」見つめ合う。
抱擁。
蠢く。ニョキニョキと手を伸ばす。離れていく。
歩き出す。「暗闇をずっと見つめていたら、誰かに出逢った。黒の奥の黒色は人
間の色に変わった。」
身体表現。「黒は何色?」
使用曲 サラサーテ  Romanza Andaluza
http://www.youtube.com/watch?v=PJsoY0Zo100
白い壁、青い海、青い空、まっ赤な薔薇、降り注ぐ檸檬。
至福。
「目が覚めたら、黒い車に横たわっていて、身体が透き通っていた。激しい自己
嫌悪と後悔と心底の安堵が透明な身体をすり抜けていく。」
歩き出す。
ゆっくりゆっくりストップモーション。
目を閉じる。
「黒」「暗闇」「黒の奥の黒」「あの日見た黒い絵の記憶」
暗転。
客電。

他に「褒める」15シーン。皆の顔が華やいで、愉しそうな空気感が漂った。舞台に温かい空気感ができると嬉しいね。
最後に相関図。三角関係のシーンは千景もゆきも愛と葛藤と持ち前の負けん気でとてもよかったし、桶の分け方が巧かった。そこから、無対象の4角関係を創ろうとしたのだが、桶が八方美人になりすぎて、心のありかがわからなくなってしまい、女優陣も妙に仲良し同盟になってしまい、前半の細密なシーンが飛んで逃げた。残念。
今回は空気の動くいい稽古だったね。
さらに稽古は続く。
参加どうぞ。
以上。