2008/05/26
仕組まれた日常より芝居は面白い。だからこそ、リアリズムを追い続けたい。

日常に人と人の混線があっても、それを芝居に活かしたい。それは残酷なことかもしれないけれど、強い心と思い遣りと脆さとかずるさとか、人にはたくさんの感情や人と人の関係性があって、それでも人は人とふれあい、あたしたちは表現を目指す。
開かれた稽古場 二十四回目。参加者6名、見学1名。ぼちぼち新しい参加者や復活組。開かれた稽古場の名の通り、いつでも誰でもウエルカム。それぞれのぺースでの参加がなんとなくできてきている。
稽古開始。イメージをもって歩く。とにかく、必死になれと想う。イメージを掴まえにいく。イメージを広げていく。繰り返すことで、想像力は鍛えられて、イメージはより鮮明になっていく。久しぶり参加のM子はダンサーで、ひとつ仕事を終えてきた。身体が軽くなっていた。表情はあいかわらず硬い。懸命さは非常に好感。Kちゃん、少しずつイメージをはっきり見ようとしている。この女優は嘘がない。経験値が豊富でも、さらに真っ白になれる素直な感性がいい。Eな、彼女の焦りと背伸びを何とかしたい。イメージを見る、集中してみていけばいい。きょう雑物を取り除かなければ。何かをしようとしてしまう。Kさわくん、今、あたしは彼に期待している。とてもいい。イメージを掴まえにいく。もっともっとはっきり見ようとしてほしい。見ようとする。イメージをもっともっと持つ。もっともっと。I川さん、2回目の参加。何かをやろうとする小手先。まず、それを除かなければ。芝居がどこかで誤解されている。まず、それぞれの自分自身の歩きを掴むために、自然な歩行。歩くということの難しさ。あたし自身も衣装の靴を履いただけで歩けなくなった昔を想い出す。ある時気づく。歩くということに。とても大事。Kちゃんが秀逸。あとはダメ。全員で見る。ダメが出たときにどこまで切り捨て、ゼロになれるか、これがとても大事。皆の心がとりあえずあたしに向いていてくれるおかげか、ひとつダメを出した後の変化が著しい。最初からこれをひとつずつ獲得し、出来るように。N山さん、余計なものがどんどん削がれていく。歩きも良くなった。忘れないで。M子、Kさわくんも。Eなは、心や身体のいろんなところにあるへんな緊張。除かなければ。白くなろうとする意識はあるのだが。I川さん、とにかく聞いてくれ。素直に聞いてほしい。そこから。頑固はダメ。理屈は不要だ。ここにくる全員にひとつずつ、できることを増やしてあげたい。
さらに、怒りのイメージを持って歩く。強い怒り、怒りをさらにさらに、手を打つことで煽ってみる。Kちゃんは怒りの感情は弱い。いいことか悪いことか、迷う。M子の怒りは失速する。持続、拡大の難しさだが、怒ろうとするのではなく、怒りの対象を作ることだと想う。はっきりした怒りの対象ね。
Eなは、怒りが弱いもの、他の感情に変わっていく。つっぱっているが、脆い。
自身の弱いものも含めて、自身の感情と素直に向き合ってみてはどうかと感じる。芝居の修行はきつい。だけど、目をそらさずに向き合わなければ。感情が濁る。温かい感情作り。満ち足りた想い、ハッピネス。この訓練は好きだ。温かいものが零れる。それぞれの顔も緩む。M子、いい笑顔。Kさわくん、とても素直でいい。出会って、演劇的に会話。演劇的と言い続けて繰り返したことで、それぞれに種が出来てきた。ドライブしていくものが面白くなってきた。
切り取る。Kちゃん、Kさわくん、I川さんの会話。さらにEな、Mこでドライブさせてみる。連発。1回目。Eな、M子が完全に観客。久々に切れる。修復。
稽古場にいるときは観客になってはならない。基本だ。2回目、N山さん面白い反応。大量のお金。お金への執着ちらり。M子、Eな、加わる。3回目、お金への執着、お金の発見、Eなにだけは落ち葉。の条件で。お金の実感が足りない。Eな、落ち葉の実感が足りない。M子、頭で考えすぎ。何を想い、何がやりたいのか見えない。ダメだし。再度。Kさわくんはダメを出すたびによくなる。Eな、柔らかくなりたい。芝居は理屈ではできないよ。どうしてもKちゃんが引っぱることになるのが、気に入らない。もっと全員アクティブに。なんとか実感のある線まではいけた。発声。腹筋強化で声の受け渡し。日常訓練の差が見える。発声はやればやるほど獲得できるはず。Kさわくん、随分強い声になった。Kちゃん、声をもっているので、さらに強くしたい。そう、マリーにも絶対必要。I川さん、発声、腹式を1からやること。頭に抜けた声、まったくだめ。Eな、声が著しく落ちている。さばってはだめだよと苦言。M子、久しぶりで心配していたが、なかなか。さらに。N山さん、強くなってきた。そろそろセリフに繋げてみたい。ブリッジによる発声。身体の負荷がかかったときに、さらに強い声を作りたいのだが、まだ叶わず。叶えたい。しこをふんで、「黒の舟歌」まず覚えてね。これは唄う訓練ではない。唄を使った声の強化。ゆるい、ゆるい。シコを矯正していく。人数が少ないときはこういう丁寧な点検をしてあげたい。外郎売り。手からプリントを外してほしい。外郎売り、リズミカルに受け渡す。I川さん、次回には本は外して下さい。各自、滑舌のうまくいかないところはそこを繰り返し。Kさわくん、M子、Kちゃん完璧。次は表現にいきたい。Eな、ほぼ覚えた。よし。これから。ここはスタートラインだからね。頑張れ。うむ、なかなか面白い。外郎売りなんて、と想う事なかれ、面白いものにしよう。ケツメイシ サクラ。まず、歌えるようになってほしい。
先に進みたい。Kさわくん、これは油断している。さらに頼む。M子、ラップ獲得。稽古はよかれ。よくやった。
号泣ウォーク。号泣しながら、歩いてほしかったが、叶わず。Eな、Kちゃん、N山さんとてもいい号泣。M子、もうひとついけ。Kさわくん、さらにいけ。I川さん、泣き真似はいらない。身体と表現がちぐはくなものはなんであれ、嘘にしか見えない。ゼロから挑戦してくれ。
エチュード。日常。日常的なシーンドライブ。しかし、演劇として。
二組の夫婦。2連発。N山さん、Kちゃん夫婦、I川さん、Kさわくん夫婦。
日常のシーンはさらに実感が必要。お話だけが動いていく印象だった。
Kちゃん、Kさわくん夫婦。さらにドライブ。面白かったが、グダグダ。
日常は、非日常の演じるためにも不可欠だと想っている。
エチュード、懇願。Kさわくんに女優全員が懇願する。Eな、なんともいえないへんなものを持っていて、なんとも言えないエネルギーがあるこの女優。このシーンはよかった。が。心の動きが特異すぎて、伝わりにくい。ここを表現としてどうするか、あたしの課題だ。
M子、押しが強そうで、あきらめが多すぎるのか?もっとわがままでいいと想う。
I川さん、うむ、どうにも演劇風のことをやってくれてしまう。何とかしたいので、リアリズム、実感を基準にダメを出す。再度。ひとつよくなった。ひとつひとつの積み重ねだよ。演劇が地道な仕事だから。
Kちゃんの毎度の発想の面白さに笑う。さらに実感と細かい表現を求む。
ウォーキング。リズムに乗ってスタイリッシュに。今回はリズムに乗れている。さらに個人、個人にアドバイス。魅力を引き出したい。詳細は企業秘密。
身体表現。音を身体に取り組む訓練。さらに説明。音と融合してほしい。音と俳優が二本の柱で存在してほしい。うむ、うむ、音へのコンプレックスか?
はじめに音ありきから脱却出来ない。違う。他者との関わり、声という身体。全員完全に抜けているし。苦笑。いつかピンと来る日が来る。そう信じて、やる。
恒例、相関図。今日は男優ひとり。Kさわくんを巡る相関図。とても細かく感情の動いたいいシーンだった。何よりKさわくんが良かった。油断せず、さらに。Eな。アクティングエリアでの緊張感が足りない。それはすべて観客に見えてしまうよ。I川さん、必死で加わる。まずはそれね。Mこ、クールなのね。だめよ。あなたの抽出のどこかに熱いマグマを探せ。かならず、ある。
Kちゃん、相変わらず相関図のときの愛情表現がいい。今日の嫉妬はいつもより弱かったね。
さらにさらに稽古は続く。
たどり着く場所は、まだ雲の上。