2013/05/27

桜上水開拓中。コストパフォーマンスのいいトンカツ屋さんで稽古後のごはん。開かれた稽古場より帰宅。演劇として創ることのためには訓練は必要と想い新たにして、稽古場に入る。声も鍛え、身体も鍛え、台詞術も鍛える。参加4名。見学1名。今回の作品は長台詞があるので、言葉をどのように伝えていくか、を含めて流れを説明してから作品に取り組んでみた。動きの関わりは創りながら、動きを観て、きっかけで
動きを決めていったので、止めず。今回は全員必死で取り組んだ。まず、これは基本。ようこもヘロヘロになりながら、とてもよかった。オキヌは天才なので、これからは身体と声と台詞を鍛えることにする。全員声が弱い。声はもっともっと。それぞれにアドバイスをすることができたので、今後の課題に。人間の本質に迫る作品だが、創りながらそれぞれに内的化学反応を起こすこと、これが必要。またお話として書かれた「愛」のシーンが弱かったので、ここをひとつのピークに作り込めたらいいね。作品、使用曲を公開する。
★今回は舞台上で曲を聴く中での身体表現にしてみた。聴くことで歌詞に情動を感じた時だけ身体表現にしてほしい。なかなかキレが悪かったが、よい試みとなったようだ。
★本日の動画は幕開けの歩く〜挑む態への変化まで。別記事で台詞〜身体表現を上げてみる。

『我がこころ、絡まる糸車。カラカラ回れよ、回れ、こころの景色の色混ぜて。』
作・演出・選曲 森島、音 Dub 出演 マイケルリュー・石渡陽子・桶谷健司・オキヌ 撮影 花

客電落ちる。
大音量のタンゴ。使用曲 ジェラシー/アルフレッド・ハウゼ楽団 http://www.youtube.com/watch?v=NGkb-piK6xs
明かりゆっくり入る。
うずくまる人々。人々が曲にのって歩き始める。次第にまるで何かと格闘するような動きに変わっていく。
「壊せ」音、カットアウト。
叫ぶ。「破壊する、我がこころ」再びのタンゴ。使用曲 ジェラシー/アルフレッド・ハウゼ楽団.
歩く。しかし、それは敵に挑む態として。音、カットアウト。
「切り刻まれた記憶を破壊したい。オレの(あたしの)人生はこんなもの?人並みに学校に行き、適当に親に愛されたふりをして、小さなウソをつ き、笑顔のコツと言い訳と言い逃れのコツを掴んで、行き止まりをUターンしては何度も何度もやり過ごしてきた。とっくのとうにどれが自分で、 どれがほんとで、どれがウソで、どれがしたいことで、どれが言い訳で、どれがいいことで、どれがいけないことで、どれが自分のためで、どれが 他人様のご機嫌取りで、どれが社会のためで、どれが反体制で、どれがオレなのか(あたしなのか)心の糸が絡まってしまっている。はじめまして も久しぶりもいつもの日常ってやつも、なにもかも、壊してしまうためにオレは(あたしは)、無駄な日々を破壊したい。泪が止まらない。記憶の 糸がもつれて絡まっていくように泣いてばかりいた。」
絞り出すように泣く。叫ぶ。「我がこころ、あれはいつの、あれは誰の、あれは誰の、心の景色だ」
身体表現。「混沌としてこんがらがって墜落していく心の奈落の底の底。」
使用曲  Lang Lang - Rachmaninov
http://www.youtube.com/watch?v=i25oEvWAsmo
言葉=愛してくれと抱きしめてくれと泣かせてくれと僕を解き放ってくれと
愛してくれと抱きしめてくれと笑わせてくれと僕をがんじがらめに抱きしめてくれと
愛してくれ。抱きしめてくれ
彷徨う。フラフラと彷徨い歩く。
男「絡まり続けるオレの記憶という思考と襲いかかる寂寥という苦しさから、つかのまでいい。逃れたくて、女を買いにいった。」
女「もつれ続けるあたしの過去という困惑と追ってくる空虚というせつなさから、ほんのすこしだけ、逃れたくて、娼婦になった。」
出逢う。
男「日常のグチを封印して、ただオレは欲望を充たすためのいくばくかの金を渡して、女をつかのま貪った」
女「この男から資本主義の紙切れを受け取り、仮面を被る。本当のあたしを心の奥底に落とし込んでしまえ」
男は女を貪る目でなめ回し、女は男を取り込むようになめ回す。
次第にそれはエロティックに「見える」表現になっていく。
「壊れたこころが取り戻せるような錯覚」
愉しそうに笑う、笑い転げる。
唐突に笑い止まり、さぐるようにお互いをみる。
「壊せ」
「だましだまされ、貪り合うだけの俗悪な関係性」
「壊せ」
女「あたしは娼婦、記憶もウソも全部絡めて、あたしは娼婦よ。」
男「埋まらない。娼婦の愛なんてウソ。下劣な、女」
カツカツと歩き出す。時折、立ち止まり、見つめ合う。
身体表現。「こころがざわめく」
使用曲  スターダスト・レビュー   追憶 
http://www.youtube.com/watch?v=IkREYvsyObY
「壊せ」「壊せ」「壊せ」「壊せ」
ぼんやりと佇む。
見つめ合う。
「いつかどこかで逢った?いつかどこかで出逢う?いつかどこかで」
激しい愛を感じる。
歩き出す。フラフラと彷徨い歩く。
「壊せ」
強い意志。
立ち止まる。
振り返る。
「強いにほい。あのひとから漂うなつかしい香り。強いにほいはいつのまにかオレの(わたしの)こころに染み込む。ボードレールは言う。
強い匂いはたとえばガラスにさえも染み込んでいくと。
オレは(わたしは)壊したかった記憶の扉がふたたび開くようななつかしさを感じた。もう一度、壊れるまで、もう一度オレを(あたしを)
壊してほしいと想う。」
ゆっくりとゆっくりと歩み寄り、ゆっくりとゆっくりと手を伸ばす。
「壊せ」
暗転。
使用曲 オルゴール曲 http://www.youtube.com/watch?v=oCPemo0Ebfw
「壊せ」リフレイン。
客電。

さらに肉体訓練。あたし独自の訓練ではあるが、天井桟敷の大滅亡に敬意を。うちでは「大破滅」説明してもわからないだろうから、手本を見せつつ、初挑戦と数回目の挑戦のみんな。ぜんぜんダメ。また教えます。笑。
へろったところで即興。
ベットルーム6本。オキヌがいい。先のお願いをした。マイケル、鬼畜。笑。
たぶんまだまだクール。ようこの焦りと開き直りはよかったが、いかんせんもう少しはっきり見えたいね。
最後は相関図。いつもの混線即興。だいたいよかったが、もうひとつ劇的にしたいね、と話す。
以上。