2013/06/03

美味しいらうめんを食べて帰ろうと皆で向かうが、店の外までの大行列、あきらめてイタリアン。開かれた稽古場より帰宅。今回は、鏡の中の自分をテーマに作品創り。参加4名、見学1名。細かいところがノッキングしてうまくいかなかったので、刻んで刻んで創ってみた。繰り返すことで上がってはいくものの、その頂点は低い。声が弱い。言葉と音と身体表現をずっとずっと課題にしてきているのだが、今回も書き込む。動画で上げるまでには繰り返しの修正が必要だった。身体表現と言葉と音が一体でなければ成立しないのだね。声が弱いので、言葉が飛んでこない。言葉を飛ばすことを実現するためには声を鍛えるしかない。それから、リアリズム、丁寧に行動をしてほしい。〜ふうの動きは気に入らない。そういうわけで、今回はリアリズムの動きの修正もいつもより拘って繰り返してみた。できるようになるまでやってくれ。女優陣ふたり、これは稽古以外の時間に稽古をすればすぐにできるようになるはずのことだよ。全体的な熱量が弱かったなあ。それぞれに随所ダメだし、修正はしたので、もう一度思い起こして稽古しておくこと。台本を稽古頭で渡すので、すぐにその世界は掴めないのかもしれないが、そこに想像と勘と感度を求めたい。台詞もいい台詞書いてるんだけどなあ。朗読されてしまうのが一番不甲斐ない。五文字の言葉でも、ひとつの世界や感情があり、次の台詞へのブリッジではない。台詞の掴まえ方も感性だと想う。作品と使用曲公開する。鏡の中の自分って、コワイものです。鏡の中のもうひとりの自分。鏡は覗いてあげないと曇ってしまうのだけど。
★動画はどれもあたしの手が入り止まっているので、今回は短い動画しかない。それも今回の稽古の結果だね。後半の身体表現「己に棲み憑く幾人格や」 〜暗転、明転、老人まで。

『覗き、覗かれ、心の隙間の路地裏巡り、あなたはだあれと僕は問う。』
作・演出・選曲 森島、音 DubMasterX  出演 石渡陽子・マイケルリュー・藤川千景・桶谷健司

客電落ちる。
蠢く人間のオブジェ。
ゆっくり明かり入る。
言葉としては認識できないつぶやきが続いている。薄く聴きとれない音。
効果音 内宇宙の音。
http://www.youtube.com/watch?v=pJAsXQqY6AY
悲鳴ときおり。
差し込むように唐突に明るい光。とオブジェからひとりひとりと抜け出して佇 む。四方に鏡。
「もう何年も前に買った1枚の鏡。あの頃は愛する人がいて、その人に逢うため に飛びきりのオシャレをして、鏡の前に立った。鏡の向こうの僕はいつ も飛び きりの笑顔で僕を見た。ボルサリーノを頭にのせた日も僕は鏡の中の僕の笑顔に 送り出された。あれが、その鏡。」四方の鏡をみる。鏡だらけの 鏡の部屋。
「どれが僕の、鏡なんだ」鏡の前に立つ。吸い込まれるような気配に激しい怯 え。鏡から逃げる。とまた一枚の鏡の前。
「鏡の中の僕は(あたしは)歪で、僕を(あたしを)罵る。やめてくれないか。 僕は(あたしは)あの頃に戻りたいなんてセンチメンタルな願望は一切 ない し、僕は(あたしは)おまえなんか知らない」戦闘的な衝動、自信失墜し、鏡か ら逃げる。とまた一枚の鏡。
「醜い。おまえは醜い。」鏡の中のあいつを凝視する。「あいつは僕の(あたし の)すべてを見透かす。僕の(あたしの)すべてを知ってでもいるよう に見透 かす。やめろ。」
逃げる。もう一枚の鏡。逃げる。また一枚の鏡。
身体表現。「僕の混沌は僕の痛みに吸い込まれていく」
使用曲  Hedwig and the Angry Inch  Midnight Radio
http://www.youtube.com/watch?v=u8Y-sZ2WrfA
言葉。「あたしの(オレの)吐瀉物」「異物感」「因縁」「内臓を鷲掴みにし て」「反吐」「困惑」「極限の痛み」「排泄する」「破滅」「幻滅」「錯 覚を 捏造する」「抉り出せ」
暗転。含み笑い、あえぎ声。「見ろよ」「見て」
明かりが入るとエロティックな態のストップモーション。
「あのひとはこうやってセックスをするのが好きだった。僕は(あたしは)まっ たく、嫌いだった。あいつが見ている。いつでも冷めた目でこのたまら なく みっともない僕を(あたしを)バカにする。あのひとの腕が伸びるとあいつがそ の腕を掴む。人差し指を掴んで、?むのを僕は(あたしは)見たん だ。たまら ない、たまらないとあえいで目を閉じる。」
絶頂の声。ややあって、悲鳴に変わる。
這いずる。這いずり歩く。助けてという聞き取れないつぶやきを繰り返す。
天井を見る。「あそこにも」
「鏡の混沌、鏡の誘惑、鏡の、自己分析。醜いおまえは僕をいたぶる。おまえは 僕を(あたしを)どこまでも連れていこうとする。鏡の、誘惑に、迷い 彷徨 う。おまえの醜い顔、おまえの醜い心。心?おまえに心をぐしゃぐしゃに握りつ ぶされる。」
銃弾に撃たれる態。5発の銃弾が身体を抜ける。
身体表現。「己に棲み憑く幾人格や」
使用曲 ウルトラセブン主題歌 Ultra seven English version full
http://www.youtube.com/watch?v=KHkeIZtICcY
暗転。明かりが入ると正座している。
老人たち。
手鏡を出し、覗く。執拗に覗く。
(平板、棒読み)「幾人ものわたしと向き合いながら生きてきたわたしの人生は 何だったのだろうか。正直に言えば、どのわたしもどこかにウソと記憶 のすり 替えとおべっかにまみれたにせもののわたし。鏡の世界にいったきり、わたしは ついに戻れなかった」
ゆっくり立ち上がり、ゆっくりとあなたに戻っていく。
「愛しているよ」(「愛しているわ」)
暗転。
使用曲  サンバ・テンぺラード(ルパン三世 the Last Job.ver) http://www.youtube.com/watch?v=fnudzF3MahY
明かりが入ると踊り狂っている。
口々に夢を語りながら。
明かりゆっくり消えていく中
「鏡の中の、何人の自分自身に、あなたは出逢いましたか?」
「今朝、あなたは鏡の中の、あなたに」
「さようならを言いましたか?」
暗転。
使用曲  ノイズとため息  岩瀬敬吾
http://www.youtube.com/watch?v=l7FVSf6EGJI
1フレーズでかっとアウト
客電。

後半は発声訓練。予告通り「黒の舟歌」四股発声で。2番まで×3回
弱い、弱い。これから継続する。日常でも繰り返すこと。
カラオケが消えてしまうくらいの声が希望。
最後の相関図。お話にならず。愛の物語にしたいのよ。
以上。