2013/10/7

朝は当日パンフレット入稿、デザイナーさんが約束通り完遂してくれた。それが終わってからは衣裳の細かい修正、品出し。稽古場に走る。稽古場に行くと、急遽通し稽古を衣裳ありでと演出。まだ揃わぬものもあるので、慌てもしたが、一つずつ揃えて、間に合った。幕毎の通し予定が初通しとなった。
衣裳の着脱のできない女優さんが数人いて、あげくに舞台上でしゃべり出したのは、こりゃひどいの初体験。現場を踏んで覚えてきたこと。あたしも衣裳は元々は専門外だったけれど、洋裁好き、和装好きが嵩じて、今回は丸丸プランナーとして採用していただいている。感謝しつつ、日々勉強だ。今回の衣裳39番。39人の役を創った。明日は照明さん参加の通し。衣裳あり。
稽古後は開かれた稽古場へ走る。ギリギリ到着。スタジオを間違えて5分ロス。いつものスタジオに行ったら、そうだ、そうだ、お友達の座組さんが入っているんだった。と今日はダウンタウンのスタジオで新作。もうすぐ本番の女優と公演終わったオキヌ。ふたりの女優対決。創った。「死生観」をテーマにした作品。
今回はそれぞれに適したアドバイスと修正点を話す。二人とも感性の良さの先に辿り着いて、女優として輝いてほしい。それにしても今回の身体表現は駄目だったな。
今回もRが他の芝居の本番真近ので、日常訓練は秘密。動画は割愛する。また参加してくれば、皆さんにも勇姿をご覧いただくので、堪忍ね〜。
今回感じて欲しかったのは、命の尊さ、血の生臭さ。血の匂いを感じてもらえたら、活かせるかもね。
台本、使用曲公開する。
後半は愛のシーン創りを6連発。3連発は繋がった1本のシーンとして創ってみた。
爆発する感情、まだまだ緩かった。それから、愛でしょう、愛。
精進しようね。
『タダヨウ』
作・演出・選曲 森島、音、音操作 DubMasterX、出演 オキヌ、R

客電落ちる。
暗転中。「まどろんでいる」「ゆっくりと」「ここはどこだろう」
明かりゆっくり入る。
にこやかに佇む人々。「目が覚めたら、あたしは(僕は)ここにいた。キラキラと輝く海?何だろう?海の中を泳いでいる。身体中がポカポカして、身 体中が透き通っていくような。夢から醒めたら、あたしは(僕は)ここにいた。切り刻まれた身体がゆっくりと消えていく。あれはいつのことだったの かと心がウズウズするような。あ、あの雲、何かに似ている。あたしは(僕は)あたしで(僕で)あなたはだあれ?いつのまに辿り着いたここ。いつの まにか、ここにいる。あなたはどこ?あなたはどこ?」
「あたしはあたし」「いつまでもあたし」
「僕は僕」「いつまでも僕」
身体中が痛む。切り裂かれる。のたうつ。「やめてくれ(やめて)」
歩く。歩く。ぼんやりと所在なげに歩く。
道行く人々が皆灰色。ささやき声。「何?聴こえない」道行く木々がみな真っ赤。深紅の血液。
「見えない」
空が真っ黒。暗黒の宇宙。いきなり、身体が宙に浮く。
「え?とあたしは想った。頭の上で大きな花火が鳴った。たぶん、花火の音、小さい頃に見た湖。水面にキラキラと揺れた大きな花火。
あれは何だったのだろうかと記憶の曖昧さに首を傾げた(かしげた)。」
身体表現。「からだじゅうのがんじがらめ」使用曲 ドビッシーアラベスクNo1+ラベル亡き王女のためのパヴァーヌ
http://www.youtube.com/watch?v=Qc3zHVcCMcQ
http://www.youtube.com/watch?v=ASwt21DM8CI
言葉。「大男たちの行進」「空から降り注ぐナイフ」「ライオンの群れ」「耳をつんざく金属音」「愉快と不愉快の間(はざま)」
「闇に注す光」「がんじがらめ」「鉛の兵隊」
激しく抵抗する態。泣き叫ぶ態。
振り払う態。
「半年前に愛が終わった。どうして?と誰かがあたしに(僕に)訊くだろうか?そうしたら、どうしてと応える。どうしてなのか、そんなこと、そんな こと、そんなこと、どうして答えなければならないのか。どうしてと自問する。自分への公開質問状をつきつける。どうしてと泣き叫ぶ。あなたにどう してと泣きすがる。ふり、全部ふり。ガチョーン!ガチョーン!ガチョーン」
踊り狂う。
「いけると想っていた面接に落ちた。あたしの身体を(僕の)スーツ姿の外国人が蹴った。ガンガンと蹴飛ばした。そんな感じ。ガンガンと身体中を蹴 飛ばされる。クチから内蔵が繋がって飛び出てきた。そんな感じ。どんな感じ?そんな感じ。脳みそがドロドロと溶け出す、そんな屈辱と劣等感の渦。 ずぶずぶと足が地面にのめり込んでいく。そんな感じ、いいかげんな妄想。ガチョーン!ガチョーン!ガチョーン」
踊り狂う。
自失。
「駅のホームに立っていた。遠くにあの山がぼんやりみえた。吸い込まれるように」
身体表現「ロングロングさようなら」使用曲 矢野顕子 「春咲小紅」
http://www.youtube.com/watch?v=KK5uEmJJR1A
言葉「死んで花実が咲くものか」「生きていかなくちゃ」「生きていかなくちゃ」「ここはどこの細道じゃ」「やめてやめてやめて」
「無理難題」「無謀の残酷」「いきはよいよい」「戻れない」
ヒラヒラと蝶のように舞う。
「助けて、あたし(僕)大きな穴に堕ちて行く。」
暗転。
「キラキラとした海、花火、すべてが灰色に包まれて行く。
ここは辿り着けない場所。」
沈黙。
「 愚かさ、しくじり、悪徳、出し惜しみが、
 心を塞いで、身を煩わせ、
 乞食が集る虱(しらみ)を養うように、
 僕らは愛しい後悔を育む。」
客電。

以上。写真を1葉。この空間らしい作品だつたかも。少し参加した