2015/02/16
開かれた稽古場より帰宅。早速動画を取り込んでもらったら、理由わからず音が録れていなかった。今回ははっきり「戦争反対」と声に出す芝居を創ったせいか?まさか。日本国憲法第九条が改正された、とはっきり言ったからか?謎。ガッカリ。皆さまにも観ていただきたかったな。
さて、今回は公演を終えた若手2名、見学1名でじっくりと稽古することができた。動ける2人に身体と心を繋げることを伝えたいのだが、動いてしまうので、なかなかいいものになっていかない。
今回は2本の芝居における彼らの存在について、あれこれ話す。役者としてそこに存在することを願うわけで。
まず、心を開くための課題を連続して行う。「告白」から身体表現、「罵倒」「謝罪」「愛情」から身体表現。
今回は心が動き、正直に素直に心を感じ、通わせるための課題。次第にリラックスしていく態は観ていて心地よい。身体表現は決まったダンスを取り込み過ぎる2人なのだな。まだまだだね。
続いてダンスバトル。弾けてショーアップしていきたいね。人数が増えるとまとまっていくのではなく、広がっていくことが必要。そのことを伝える。
後半はじっくり「戦争反対」の芝居。これははっきり言葉を持ち込んで書いた。メッセージをしっかり観客席に置くために。「戦争を知らないこどもたち」による愛情表現、至福の身体表現。
「抗うことしかできない」という抵抗から「抗う」というはっきりしたメッセージへ変化させて幕。という流れ。
1回通してさらに前半返し稽古をしてみた。それぞれにお願い出し、ダメ出し。世の中に目を向けて、感度良く成長してくれますように。
少しでも感じ、危機感を持ち、抱えて帰ることができれば嬉しい。
動画が全滅なので、今回は写真のみ。と台本公開する。
「そうかもしれないドドンガドンの銅鑼なれば、壊れた内臓叫び出す」
                芝居屋・劇団羊のしっぽ
作、演出 森島 音操作 DubMasterX 出演 やすいなおみ、藤田悠平
客電落ちる。
暗転。ノイズ。http://www.youtube.com/watch?v=9hZVV3TLgR0
明かり。
ゆっくりと。「日本国憲法 第九条が改正された」
足早に歩き出す。歩きはドンドン早くなる。人々の心が粉々に壊れていく態。
http://www.youtube.com/watch?v=fUdKEaTLl_c
ひたすらに歩き、取り憑かれたように歩き、次第に無表情になり、身体はくねくねとくねりはじめる。
つぶやく。「ぜんたいとまれ」「ぜんたいとまれ」「ぜんたいとまれ」繰り返すつぶやき。
暗転。直ちに明転。
激怒している。
「いやだ。」
暗転。直ちに明転。
後ずさりしている。「戦争」「戦争」「戦争」「戦争」「戦争」
黒い影から逃げる。追われる。逃げる。ひたすらに逃げまどう。
男、怯えて立ち尽くす。
女 「あの人に召集令状が届いた。昔の記録映画、昔読んだ本の中の出来事。違う、あの人に、戦争にイケという命令が届いたのだ。ウソ、ウソだと 言って、」泣き崩れる。
男「いやだ」精神酩酊状態となる。「戦争」「戦争」「憲法の改正」「狂った選択だ」
身体表現。「抗うことしかできない」
http://www.youtube.com/watch?v=6mV2mxjlXv8
言葉、「いやだ」「いかない」「いかないで」「殺戮と平和のアンバランス」「いやだ」「やめろ」「やめてくれ」「やめて」
「繰り返される過去の暴虐」「まちがっている」「きちがいどもめ」
言語により身体、感情爆発として。
暗転。直ちに明転。
佇む人々。「空はどこまでも青い」空を見上げる。つと、ゆっくり歩き出す。
大きな愛を誓い合う
大いなる旅立ちの日に
分かち合うものが
愛しかない時
愛するあなた、あなたとわたしの
一瞬一瞬、毎日毎日が
喜びであふれるために
愛しかない時
いつも愛を信じる以外の
富をほかに持たずに
わたしたちの約束を生きるために
愛しかない時
ごたごた汚れた町はずれを
綺麗に飾って
陽光で覆うために
愛しかない時
たった一つの理由のため
たった一つの歌のため
たった一つの救いとして
愛しかない時
朝、貧しき者たちとならず者たちに
ビロードのコートを
着せかけるために
愛しかない時
詩を詠じながら、転がる死体に気づいていく。血まみれの死体の山。
「ついに僕はここにいる。死体の数を数えてみる。」数え始める。「考えることをやめることなんてできるのか。痛みを忘れることなんてできるのか。 堪らない嫌悪感、堪らない。苦しくて苦しくて苦しくて、かっとぶ。」
発狂。
「日本国憲法第9条改正」
暗転。直ちに明転。
ドアをあける。「ただいま」痴話喧嘩。日常。
「家に帰ったら、見たいテレビがあったのに、めしだ、風呂だと五月蠅く急かす。こんな生活が結婚だったのかともう何度目かのうんざりした気持ちに なった。休ませてよ、と言ったら、ほら、また喧嘩・・・」
無言。微笑む。「合わせ鏡のようだった。あいつも笑った。」愉しげに抱き合う。黙る。
身体表現。「小さな幸せでもみつけてみれば」至福、絶頂の表現として。
http://www.youtube.com/watch?v=uY43S56vNAc
無音。
押し黙る。
「日常が奪われていった」
「日本国憲法改正」「やめて」「やめろ」
暗転。
「人々が、国々が
奪い合い、憎み合う。やがて、我々は感情を無くしていくのだろうか。」
明かりが入る。
人々が無表情に佇んでいる。
つぶやく。「反対」
荒れ果てた荒野。風のにほい。人間のにほい。
声を殺して泣き続ける。
身体表現。「抗う」
http://www.youtube.com/watch?v=6mV2mxjlXv8
「戦争はいやだ」
「戦争反対」
ゆっくりと崩れ落ちる。あえぐ。死ぬ。
暗転。
客電。 客電ついてから、
http://www.youtube.com/watch?v=bLiZuead7lM