2008/08/18
想像力をどう表現していくか

開かれた稽古場だった。今日は夏真っ盛りで、参加者が少なそうだったので、
想像力をどう表現していくか、に執着してみた。参加者6名、見学2名。
初参加のうたいて1名が遅刻だったので、この課題から入ることができず。何度も言っているが、参加を決めたら遅刻は厳禁で。
想像力が豊かであること、これは俳優に必須。そして、それを表現していくこと、さらに必須。イメージをトレーニングするだけでは、表現にならない。
まず、今日は初っ端から、想像したことを観客席に伝えることと指示して開始。
イメージに引っぱられてみる。Mもとのここ最近の執着心は眼を見張る。むろん、強いイメージが見えた。Yき、イメージするものが映像的なのではないかと感じる。感覚をもう少し、自分に引き寄せてみてはどうかな?Kさわくん、何とか掴まえていこうとする。とてもいい。Eな、この俳優は理屈が多い。まず、想像すること、想像力なのだということをひとつ、腑に落としてほしい。今日ははじめに、イメージが産まれるまで動かないでほしいと縛ってみる。いつも飛び出る意味不明の笑いを縛ってみる。少しずつ、見えてきたかな?
全体の印象はとても動いた印象。留まっていないことは素敵なこと。
さらに、想像力を表現する。声で。言葉ではなく、声で。俳優の持つイメージを声にしてみること。非常に抽象的な課題である。今、自身の追う想像の世界をそのまま声に変換してみるのだ。なかなかピンとこない。
心のまま、ということ。しかし、頭が動くのだね。
さらに、身体で表現してみる。筋肉への意識。これは少し奇形な表現。Kさわくんから思いがけず、いい動き。この俳優は勘がとてもいい。しかし、いかんせん上半身と下半身が繋がらない。下半身の筋肉への意識をアドバイスしてみる。Eな、まずやってみる意識はいい。これが表現になかなか繋がらない。早わかりしてほしくない。アドバイスする。Yき、Mもと、もっともっと筋肉を意識してほしい。
アドバイスをさらに活かして、再度。Kさわくん、よくなる。Eな、おそらく腑に落ちないままやっているのだろうな。オリジナリティなのだ。真似をしてのそれはダメ。Mもと、よくなる。Yき、この俳優はともすると感情に引っぱられてしまう。そこをもうひとつ、表現としてだね。
イメージの中、声で他者との会話。声という身体。声という感覚。
Yき、Mもと、Kさわくん、いい連動だった。Eな、何度も言うがアクティングエリアでさぐるな。思い切りと潔さが足りない。シーンとして成立させる責任感しかない。
続いて、言葉による他者との演劇的会話。劇的なものを求めている。ダメ。
あたしは高みを目指したい。呑気すぎやしない?もっともっと執着してほしい。Yきは面白くなってきた。さらにへんな俳優になるだろうな。来年が楽しみだ。あたしにある目標には無論公演がある。半端なものにしたくない。稽古場の空気がもっと熱くなるべき。
初参加のIく到着。続いて感情の訓練。稽古の組み立てを連続したもので考えているので、ほんとに最初から入ってほしいのだが。
観客に正対しての感情表現。強い怒りから。動くことで俳優は自身を煽る。今日はこれを取り上げてみる。俳優の生理はあたしにもよくわかるので、あえて邪魔な生理をしばってみること。Mもと、いい。さらにはっきりしたもの、見え方を考えてほしい。終わりはない。Yき、感情の高ぶりが今日は遅い。ムラはなくした方がいいと想う。Eな、心を動かすこと。それ風であるが、違うのだよ。表情が動かない。Iく、思いがけず、心が動く参加者で少し安心。ただ、照れ笑いと照れはよろしくない。俳優を目指すのか、はっきりしないが、ここに来たら、思い切りやる。そこから、掴める答えがあればいいと考える。何だろう?と頭はいらない。疑問はいらないのだよ。
Kさわくん、よく心が動くようになってきた。もう表現していくことをもっとやること。
続いて、幸福。満たされた想い。観客に対して、正対して。心を満たすこと。溢れる笑顔がほしい。作り笑いはいらない。温かいものが足りない。日々、不満ばかりでいると心は枯渇するよ。反抗心も大事、けれど、満たされる想いも大事。とあたしは想う。
続いて、深い悲しみ。Eなの心はどうして動かないのだろうか?眼が死んでいる。さらに、演劇的に会話。シーンを動かしてみる。積極的にシーンは動かしてほしい。けれど、心にある感情に沿って。深い悲しみからはじめた劇的は、あたしの求めるところから離れていった。Iくは、加われないでいた。それは偶然の産物だと想うが、自然で劇的だったから、皮肉なもの。
さらに号泣。久々。あたしは泣き叫んでほしいとは考えていない。号泣だ。
Yき、なかなか動かなかった。Mもと、もっとだな。Kさわくん、さらに早く。Iく、表現にはほど遠いが泣けている。号泣まではまだまだ。Eな、激しく泣いている。だが、心が見えない。涙が出ないのは何故?
滂沱の涙が流れてくれれば、無駄な叫びも声もいらないと、そこがあたしの目指しているところ。皆にも話す。
連発。各自の感触も想い出してほしい。自主稽古をどうぞ。日常訓練をすれば、泣けるようになります。
自己陶酔ではない泣きの表現がほしいのだ。
本物の涙は観客の涙腺をかならず引っぱる。
発声。腹式の確認と筋肉強化を主軸に発声メニューを組み立てていたが、そろそろ見せること、台詞の繋げること、日常の俳優の声に繋げることを主軸に変える。直立しての声の受け渡し。俳優同士の共同作業だ。Eな、芝居は皆で創るものだ。あなたの生理は置き去りにして。初参加のIく、唄をやっているとのことだが、声は全然だめ。基本は違わないのでは?頭に抜ける声、矯正してはどうか?Eな、日常のトレーニング、していますか?また頭に抜けている。発声はさばれば、一気に落ちるのだ。Yき、強い声だが、のどへの負担が多い。基本的に腹式の獲得しかないよ。Kさわくん、いい声になった。Hで、いい俳優になるためには声は必須だ。言うことを聞いてみませんか?発声訓練。
四股発声。腹筋を鍛え、声を出す。Iく、四股が踏めるようになること。Hで、元格闘家、身体能力の高さをもっと押し出したい。声も身体。ね。
Mもと、俳優は何かと何かが結びつき始めたとき、さらに魅力を増すね。声も強くなってきているから、さらに努力ね。
四股による声の増幅。息への意識。あたしの基本は演劇なので、これは演劇の場合。舞台上の息づかいを考えたいのだ。まだまだ物足りないが、この声の増幅。仕上げたい。かなり凄いことになるはずなので。身体、表情、声。
唄う。全員同時に。うむ、聞こえない・・・
あたしは特異なことを目指しているわけではない、リアリズムがほしい。
エチュード。愛情表現。Iく、Hで。自然でいいシーンだった。いかんせん、声が小さい。声を常に意識して、さらにリアルにね。やることいっぱいだべさ。
Iく、Yき。出ました、Yきイズム。空回りすることも多いが、相手の反応を大事にできるようになり、いいんでないの?
Iく、Kさわくん。まず、はっきりしない。止める。もっと熱くなれ。再度。
心は熱いが、見えてくるものは?表現することを考えること。
Iく、Mもと。温かい空気。自然でいいシーン。Iく、はっきりした心の動きがほしかった。
リアリズムは自然であることは大事、けれど、シーンには劇的なものがほしいってことね。
エチュード1本でも、声を出してほしい。
Iく、E。因縁をつける。反応だよ。ひとりでは芝居は成り立たない。しつこいけど、これしかない。
続いて、身体表現。音を身体に融合させる。他者と融合していく。身体で表現することをさらに考える。Mもと、もうどんな音でも表現できる域。後は面白いものを見せて。Yき、身体で表現することをさらに、柔軟性がほしい。
Kさわくん、最初の筋肉への意識の稽古で少し掴んだか?すこしずつ、表現になってきた。Hで、まだピンときていないね。先週はいいところにいったのに、ゼロ。Eな、まあまあ。
さて、そろそろ台詞に繋げなければ、と台詞を。寺山修司「奴碑訓」よりダリアと下男。丁々発止の台詞のリズム。あまりにダメで眩暈がする。しかし、根気よくでんな。あたし、がんばれ。
みんなもマジ、頼むよ。
次回はたった2頁の台詞、覚えてくること。覚えていなかったら、絞め殺します。(笑
来週参加の方、台詞渡しますので、いつでも連絡くださいませ。
秋の気配。稽古もさらに参ります。