2009/04/20
夏に向かう


リンカンプロジャクトがすべて終わった。開かれた稽古場も今回からは夏公演のシーン創りをしていこうと決意。の途端に参加者が激減の日 だった。焦る。ちょうど梅雨も明けて、暑い夏の連日公演になるので、役者たちの体力が心配である。暑い夏を身体に想像させておいてほしい。リンカンに1日 24時間ではとても足りないくらいの時間が必要だった。千穐楽後の決算も主宰の文化庁提出書類ほどではないけれど、項目も人数も多いので、神経を使った。 上演台本の最終構成をしたかったけれど、なかなかできない日々、最高に焦り、苛ついていた。すべてが終わり、台本も仕上げに入れた。今週いっぱいで決めよ う。
開かれた稽古場、参加者6名、見学2名。公演のチラシを作ってくれている信頼しているmimiさんに「こういう芝居にしたい」というわけで、見学に来てもらった。
内心、いけると信じ、期待しているM目がちゃんもやっと稽古にきてくれた。
上演台本中のシーンになるので、今日は何を目指していくのかとまず、書こうと想う。もちろん、開かれた稽古場で求めてきた姿勢は変わらない。今回初参加の Mほちゃんにも皆と一緒に参加して貰う。今回の芝居のテーマは相変わらずの「血」である。けれど、今回は血を我々の持つ感情の波動に繋げていきたい。観客 の血を踊らせたい。感情を確実に持ち、感情を動かすこと、そして、それをシーンとして見せるために、表現を創り上げていきたい。
感情が動くことから、出来ていく様式は兆しが見えた。S田、Oやさまがとてもいい。M目がの勘のよさに驚く。初参加のMほちゃんはなかなか心が開いていか ないので、まず、そこを開いていこう。踊りの素養があるので、活かせるだろう。やりながら迷うことをやめてさえくれれば、M目はいい。Kさわは感情の動き にムラ、できない時に焦る、慌てるのではなく、もう一度想像しなおすこと。舞台のウエに、強い想像の世界を広げないとそれは観客席に届かないということ。 さらに今回は観客を意識におくことの訓練を繰り返した。
叶えたいことは、優しいとろけるような感情である。セクシャルなシーンにしていきたい。とにかく、舞台の上に切り取られたシーンと観客席の共存をはっきり わけて創り上げたい。観客の感情を一緒に舞台の空間に混ぜ込み、最終章で一体になりたい。N山に大変重要なシーンを頼んでおいたのに、ぐじゃぐじゃ。そん なことでは困る。しっかりやれ。あたしは小手先なんてものはいらないんだ。舞台を舐めるな。まだ時間はあるので、自主稽古して下さい。見せ場ですぜ。感情 表現のシーンについては、誰ひとり落ちないでいきたい。S井くんの泣きに進歩が見えた。舞台の主役をこなしてきた成果だろう。さらに進化したいね。夏には 涙の海を実現させたい。涙の海は、感情の海、どんな特殊効果よりこれが実現させたい。させなければ、ならない。
危機感とか絶望感とかのための課題。見えないものを見せていくためには確実な想像力と表現力を要する。時間軸で追い込んでみる。
つまり、役者の想像力は果てしないという存在証明がしたい。Oやさまの表現力をもっと伸ばしたい。やはり、中身をもっと濃いものにすることではないかと想 う。Kさわは、まず想像することが足りない。表現することは、想像することの先にしかない。ここでMほちゃんの想像力が随分動き始めた。よかった。M目の 果敢な精神がいい。あたしはこの芸人の根性を全面に出したい。感覚もとてもいい。S田の表現を外に開いていきたい。N山の中身を埋めたい。
デザイナーさんに連続したシーンとして見て貰う。感じたのは、感情を動かすことには非常に体力と持続力が必要だということだった。ハードな芝居になるだろうが、最後まで食い付いて観せなければ。
独自の表現、独自の存在感を構築していきたい。
mimiさんはぽかんとしていた。もっと伝えなければならない。
強いもの、はっきりした表現、絶対だな。
死のエチュード。3連発。実感すること、想像すること、そして、表現すること。死への想像力がまだまだ表面的である。S井くんの実感はとてもよくなった。次はそれをどう伝えていくのかということだ。
この課題をやっていると邪魔になるものは、つまりよくある「押さえた」表現なのだ。そうではない、感じたことをそのまま表現すれば、決して泣き叫ぶところ に辿り着かないはず。泣き叫ぶことがどこかかっこわるいという、間違った意識をのぞいてほしい。あたしが欲しいのは、実感すること、ただそれだけである。 まず、情景がみえなければ、決して実感はできない。情景をみるためには、想像すること。M目がよかった。
泣いて、泣いて、涙も涸れたとき、そこに辿り着きたい。その先の発狂にいきたい。心の真空状態がどうしても創りたい。やるしかない。
佇みに狂気がみえたい。少しずつ、見えてはきたかな?
身体表現。音との共存。ナチュラルハイ。身体の自由がそこにありたい。Mほちゃんは踊れる。けれど、ひとりぼっち。心を開いて、楽しまなければ。
楽しんで、共存して、空間を創ること。そこには音もある。没頭すること、夢中になること。M目の身体能力の高さ、音感のよさ。いいね〜。
Oやちゃんはもうひとつ高みに上がりたい。おそらく、それは集中すること、無我夢中になること。どこかで冷静なところが気になる。N山のよくないところは、何もかもだいたいこんな感じ、でやろうとすること。もっと方向を決めて、己を追い込んでみるべきだね。
Kさわは自信を持てばいい。いじけすぎ。あなたはいいです。劣っていない。
S井くんはもっと大きな表現になれれば、最高だ。こじんまりまとまりすぎる。このアクティングエリアはすべてあなたのものと想えばいい。
最後に恒例相関図。3連発。初参加のMほちゃんとS井くんから。手を繋いでグルグル。こういう決まり事ではない動きがあたしは大好き。面白い。
Mほちゃんの一途な愛情に好感、S井の実感のある反応に好感。N山の愛情表現が3連発目でやっと見えた。S井がすっぱり切ったときのN山の喪失した顔がよ かった。あたしがほしいのは、そういう瞬間。ただ、N山の言葉が他の役者の感情のいい瞬間を邪魔してしまう。感じること、言葉より必要。言葉で繋がない。 ただ、そこに居ることを覚える。Oや様、アイディアに終わってしまうことが気になる。そこに実感や愛情を載せてくれたら、最高だと想う。
M目、いい。愛情、嫉妬、独占欲。すべて見えた。最後の表情は秀逸。泣けた。Kさわ、入れず。問題外。
それぞれに上を目指して下さい。皆、いいですから。