2009/05/04
波動があがってきた


外は雨。夏の公演に向けて、今日は衣裳の打ち合わせのために、いつもの喫茶店に座って、イメージを膨らませている。開かれた稽古場。参加 者7名、見学3名。寺山墓参りからそのまま、移動して。公演で一か八かの挑戦をする。役者の表現ということを見せる芝居を書いた。そのためにさらに日常訓 練を強化したい。まず、声の強化から。声は甘やかしてはいけない。表現に不可欠な声は鍛えなければならない。四股発声から。ぶれのない四股がほしい。それ ぞれの四股を確実に。声の増殖。声を自由に動かすこと。一本目は息から声、他者のリズムをすべて探りあってしまった。再度。声の変化による身体への波動を 感じる。俳優の身体への意識、楽器でありたい。初参加のI丸くんは先に身振り手振りありになってしまう。Yき、Hろ、N山、U杉は声と身体の連動はできる ようになったが、表現を目指したい。U杉、Hろはまだまだ声自体が弱い。一番は声、声をごまかすことはできない。続いて、自意識、癖を抜き去るた
ごめん、衣裳さんがきてくれたので、後で編集しますね。
というわけで、衣裳さんと打ち合わせ。プランを話す、話す、話す。本に書いた意味を話す、話す、話す。衣裳のみくさんからそのたびに反応が返ってくる。こ こちよく、機関銃の撃ち合いのような打ち合わせを終えた。伝えた、必死で伝えた。だから、伝わったと想う。デザイン画が楽しみ。
稽古日記続き。役者の中にある癖を抜く。ということは、各自の癖を意識すること。まず、これはリズミカルであってほしい。静かなリズムね。さらに、それを 表現する。表情、身体のスピードを考えていく。Hろがよかった。誰でもない誰かという誰か?それがすべての無からの始まりであるので、形骸化されたもの+ 虚脱+白を目指す。
さらに、役者それぞれになる。役者の宇宙を伝えたい。決してそれは、激しいものではない。動いていること、見えていること、きこえていること。想像力の羽 をはやすことである。出演者たちの存在感が回を重ねる度にはっきりしてきた。このまま、てっぺんのない上昇を望む。役者の抱える宇宙は、もうひとつの物語 を観客に伝えることができるはず。言葉を発する。他者との共存も感じていきたい。Hろの言葉が日常的すぎて、あたしは好きではない。冒険家であれと。いつ までも果てしなく物語が紡いでいけるような、その存在がほしい。まだまだ求める。ひとりずつ、言葉を連動させていく。違う世界の混交。面白い。産まれる息 づかい。劇的である。
感情の訓練。激しい怒り。怒りを高めていく。対象、理由、風景をしっかりみていくこと。まだまだ弱い。瞬間的である。ある感情を持続させていきたい。佇 む、深い哀しみから号泣まで。今回は激しい声ではなく、激しい身振りではなく、深い哀しみがかいま見えた感じ。泣いたり、大声を上げたり、叫んだり、そう ではない本当の号泣がみえてきた。あたしが目指してきたもの。
さらに、いきたい。
それを形骸化する。まだまだ決まらない。ゆっくり創り上げたい。
休憩。形骸化について、質問に答える。
観客席との共存のための課題。繰り返す。役者それぞれが本気であることを投げてみたい。さて、叶うか。
心を動かす、そして、観客の心を鷲掴みにしていくための課題。さて、叶える。まだ本気が足りない。半端であった。
殺意。殺意を持つための想像の訓練。それ風のことはいらない。殺意を掴むことができたか。殺意の実行。観客席に鳥肌が立つまで。まだまだ。
後悔、破壊、発狂まで。
これは連動して、心が壊れていかなければならないのだが、途切れてしまう。途切れたら、繋ぐ、途切れたら、繋ぐ。最近の課題はある時間の持続を求めているので、集中し、連動し、持続すること。少しずつ叶えたい。
狂気とはなにか?あたしの中で、答えが見つかってきた。
結果として表現となる表現である。
煽るための訓練。煽情する反応。1対1で繰り返してみる。心が動いた瞬間を掴んでいけ。
Yき、U杉、よくなってきた。反応していけるようになりたい。
直後、煽りを同時多発。今の課題でできていたことが消えていく。止める。アドバイス。掴んだものは意地でも離すな。
Hろの煽りの方向を変えたい。これまでやっていることは間違ってはいない。が、やや生理的な嫌悪感を感じる。力をかけないことの日常での成立とそれ風のことの紙一重だ。丁寧に追いたい。
さらにエチュード。リアリズムの課題。奇妙な部屋。日常の動作、反応、すべてリアリズムでしか成立していかない。丁寧にリアリズムを追うことで、それは不条理として成立していくということなのだが、、、
言葉で繋ごうとしてしまう嘘、反応の嘘。実感の弱さ。Yきの丁寧な運び、Hろの丁寧な運びが際だってよかった。連発。U杉の発見の反応ができない。その瞬間が大事なのだよ。
あるシーンに嘘がひとつもないようになりたい。リアリズムで埋めたアングラ芝居が創りたいのね。目指せ、リアリズムアングラ。
最後に恒例相関図。N山、Yきの愛情表現からスタート。愛の見えないふたりに愛をしつこく指示した。N山の反応がよかった。
連発する。愛情が希薄、愛情がないとすべての感情が軽く見えてきてしまうのだ。N山がHろを選ぶ。他の役者たちの反応がはっきりしない。I丸くんの反応が 混乱であったなら、成立したと想うよ。Mケルの開き直り、いい反応だったが、中途半端で惜しい。愛情が嫌悪や憎悪に変わる成立が次回は観られるかな?人は 混乱するとき、笑えるほど可笑しくて、哀しい反応をするものだ。
つまり、そういうことを劇的と呼ぶのだね。
本公演に勢いついてきた役者たち。目指すところの危機感や高みがあがってきて、とてもいい空気。
さらに日常訓練で鍛えていきたい。
観客席にいいものを提出できるその日まで。疾走する。休んでいる暇はないはず。意識を高く、目標を高く、いつもそこになるのは、ほんとであるために。
開かれた稽古場は日常訓練の稽古場なので、参加自由。公演出演者以外の参加も見学も大歓迎です。ただし、本物を目指す意識のある方だけに限らせていただきます。経験値は問いません。
以上。