2009/05/25
ああ、人は昔むかし、鳥だったのかもしれないね。


暗い土の上に、叩き付けられても、懲りもせずに空を見上げてる。開かれた稽古場から帰宅した。今日は、稽古の後に芝居の話をてんこもりし た。役者たちが飛ぶために、固い土の上に叩き付けられる。それでも、高い空を見上げるのだとそんな稽古だった。参加者10名。見学スタッフ1名。今日は開 かれた稽古場から本公演稽古にスイッチするための稽古とした。上演台本の内容も部分的に稽古に取り込んだので、ネタバレをしない書き方をする。まず、参加 の役者にチラシと稽古スケジュールと劇中唄のCDを配る。すぐそこにある初日を意識してほしい。
声の訓練、唄のための身体強化から。劇中の振付を移してみようとするが、肝心の動きができない。しょうがないなあ。もう2手くらい加えて、動きを変えよう かね。指定の動きをしながらの発声。唄のスパン分。きつい位置を保っていきたい。続いて、声の受け渡し。腹式呼吸の確認をすること。Yなちゃんは次に腹式 を教えよう。12ステージ、声を潰さずにいきたい。潰すなら、早めに潰すべし。Yきは喉がかなり強いが、腹式につながれば、最強の声になると想う。マック スプラス余韻の声がどうしてもほしい。出演者は、今日から毎日発声厳守。
続いて、誰でもない誰かになる。時に感情の点検。それぞれにとてもよくなってきた。Hろ、N山、Yな、形になる。もっと自意識を捨てていこう。Yなちゃん は観客への媚びはいらない。Mもと、M目ががいい。感情確認は2間くらいでいい。そして、また誰でもない誰かに戻ること。Mケルがよくなった。
きっかけからの動きの変化を切れよくしたい。動きからきっかけのきれをもっとスピーディにしたい。
役者の魂を入れる。役者が宇宙を抱えてほしい。Mケルの身振りはいらない。佇みは、ただそこに居るだけ。それが絶対にほしい。広がるのは役者の宇宙のみ。
感情の訓練。煽り、求愛。中身を伴わない動きが続く。言葉をありにして、再度。連発。確かに相手をみること、確かに心を伝えること。ひとつひとつの丁寧さ がまだまだ足りない。緩んだものに見えてはならない。さらにひとりずつの煽りを連動させていく。他者からの波動をもっと受けて増殖していけたらいい。興奮 して。もっと。続いて、求愛を連動させていく。
相手の心を動かすもの、それぞれにもっと膨らませてほしい。100人の心を皆で動かすのだ。
Mケル、心、心。続いて、大きな喜び。心をもっともっと充たしたい。笑いが零れてきたところで、笑いの指示。声の増殖まで。声の強化。息への意識。
続いて、色気、求愛の課題。かなり、みんなよくなってきた。もっと素敵に輝けるだろう。ポージングまで。
さらに、殺意。殺意を持って歩く、佇む。弱い。連発。弱い。鬼気迫るものがない。再度。観客の想像を掻き立てる強さがほしいのだ。佇みから殺意の実行。実 行したあとの相手の姿が見えたのは、天才M目がだけ。常に想像力が続いていく彼は凄い。さらに後悔。自然と頽れていった。Hろ、中途半端。S田、もっと つっこめばいい。N山、すぐに余計なことをしてしまう。頽れるまではとてもよかったのに。泣きに繋げてほしかったのだが、泣ききれず。M本はよかった。と にかく、中途半端なごまかしをしてほしくない。情景をはっきりと役者が見る。実感する。それはかならず熱となって伝わるはず。
Yなは想像が浅い。もっとはっきりと見ていこう。これはかなりしんどい作業だけれど、つっこんでいかなければね。Mケル、醒める時間が少なくなってきた。その調子。Oやさま、心がもっと激しく動くはず。まだ足りない。
狂気。人は殺意を持つ時、一瞬狂うのではないかとあたしは想っている。
人間は誰でも狂気の刃をもっているのではないかと、そう想うのだ。
エチュード。宿題の「画期的な人間ドック」SATYさんから貰った原案。だらだらと続けてもつまらないので、照明による場面転換を決めた。集合、自己紹介 →検査→パーティ→→検査結果→プロポーズ。それぞれに検査に集中すると見合い要素が抜けていく。つまり、見合い人間ドックを選んだ必然性が希薄だった。 虎視眈々、興味本位なんでもいい。目的意識をはっきり。
検査中もそれぞれのアピールと値踏みが希薄。お互いに会話を交わさない部分が少なかった印象。検査の表現はそれぞれに工夫が見えて、面白かったかな。
パーティ。あたしはもっと切実な感じがほしかった。全員がゲーム感覚すぎたような印象。Hろがよく考えてきた。しかし、回りまで設定しすぎてしまい、他の 役者と絡んでいけなくなった。検査結果。Yなの乳ガンという結果。Yなの絶望が不足、他の人々の慰めが軽い。キャラクターをはっきり決めてきたM本が、 ずっと役を継続できていて、よかった。MめがとOやさまの糖尿コンビも瞬間爆笑。そこからの共有がさらにあれば、もっと面白かったかもね。
U杉が場に自然にいるのだけれど、実感が見えない。その結果には何が書いてあったのだろうか?しっかり、具体的に決めないものは無論、見えてこないね。S 田の健康にアピールが入れば、お見合いにもっと実感が出た。求愛で、YなとS田が結びついたが、あの乳ガンはいずこへ?不満だな。OやさまとN山のカップ リング、唐突でよくわからなかった。その時の作家M本の反応がよかった。役作りが最後まで続いた結果。なかなか面白かった。また、造り込んでみたい課題と なった。SATYさん、ありがと。
エチュード。煽り合う。連続、連発。Mめがの思い切りに感心。必死な姿は可笑しいものだ。彼は芸人だが、ネタではない、その必死さは劇的である。Yき、O や様、かっこいいねえ。何連発もしたが、このふたりの時のOやさま、思わず声を上げてしまった。Hろ、マックスまでいけ。何かを探る表現はいただけない よ。U杉、向かっていけるようになった。怯みも味が出てきたな。
Mケル、男性的な強さはないが、なかなかいい。
S田、開放が見えてきた。
続いて、身体表現。音に溶ける。身体を任せる。表現する。陶酔する。Mもと、よく動けるようになったな。いい。今日は、前半がよかった。音からの共鳴を 待ったHろに好感。N山、どこで仕入れたのかアングラ風の顔つき、いらない。まず、音に溶け込むこと。後半、Mケル、息切れ。最後まで集中してくれ〜。O やさま、さらに集中すればよくなりそうな予感が持てた。U杉、声がいい。M目が、身体の表現を加えてほしい。Hろ、後半混乱してしまう。この点は稽古後に 話した。Yき、今度はもっと他者との融合、動いていけたらよくなる。Yな、やっと他者と共鳴できてきた。表情がいい、活かしたい。
今回の芝居、本当に心を身体を動かしてほしいと考えているが、それが、生なものでありたいとは想っていない。あくまでも想像した劇的な感情でありたいし、 表現でありたい。さらけ出すことを見せたいのではない。そこには想像の世界があり、この芝居の世界がありが条件。そこをはき違えないでほしい。
最後に恒例相関図。2連発。
心を素直に動かしていく。Yなが、Mケルがやっと執着をみせた。男優たちに裏切りに対する反応、執着、愛情がなかなか見えてこない。N山の強引さがどうし ても愛情に繋がっていかない。そこに愛を置く。その上での強引さなら、好感だと想うのだが。最後のシーン。Hろの「泊まるの?」の嫉妬や落胆や哀しみが隠 されたなら、もっと共感できる。Oやさま、いつもいい人。かきむしられるような愛情をやってみたら?Mもとの役がはっきりしなかったな。
MめがとN山。M目がの最初の言葉がとてもよかった。N山の心に響かなかったのか?軽い交わしにがっかり。このシーンはM目がの存在がシーンを保っていた。最後までN山に執着した。見事だった。心を1本通して、そこにいれば、劇的になるのだ。わかるかなあ?みんな?
さてさて、いよいよ本公演の稽古に突入する。いくぞ!
観客席を揺さぶるために、邁進、突進。迷うな、進め。
小劇場の勇者、そろい踏み!!