2009/12/21
さぼらないで、走るためのエチュード

開かれた稽古場。毎日の過酷な撮影の連続で身も心も疲れを通り越している状態なので、さらに鞭打ち。老いたくないので、老体にならぬよう、感性惚けぬようむち打ち、参加する。参加者3名にあたしでエチュード連発に挑んだ。
歩きからスタートして、最低3本のシーン作りをしようと想った。開始。それぞれに歩く、参加していると役者たちの息が詰まっているのがよくわかる。まず、 自然に呼吸をすること、簡単なようで、これは大事なことだ。息がすべてのリズムを刻んでいくのだ。M本、Yき、Aり。あたしはとにかく仕掛けていく。仕掛 けていくことで、返ってくる反応が楽しいのだ。ほとんど初心者のAりは、歩くことが続かない。歩く、感じる、反応する。追い込むシーンがはじまる。帰ろう というM本の声に不信感を感じる。シーンが動いていく。2本目、歩く、Yきをつけ回したところから、シーンがシュールに動いた。面白い、面白いと想うとど こまでも続いていく。言葉遊びのシーンに変化し、あたしはとても楽しめた。
3本目から感情を入れていく。それぞれに感情を選んでスタートする。続いて、その感情から絶望まで感情を動かしていく。そこからのシーン作り。絶望感がど んどん強くなっていった。自分の感情がわからなくなっていった。声が出て、身体がとめどなく動く。他者の存在がうっとおしくなる。のたうちまわってしま う。戻ってきたよ、とM本が言う。ほんとに?音がきこえる。けれど、誰も何も戻ってはこない。さらに心が身体が苦しくなる。どこかが痛いとも違うより所の ない感情だったので、ほんとに苦しかった。Yきが冷静な言葉を投げてきた。敵意を感じた。誰かと感情を共有しようとは想ってはいないのだけれど、すさまじ い敵意。音がきこえてくる、しかし、この音は何度も何度も聴いたから、その音の存在さえわからなくなる。他者に確認するときこえないと返される。今度こ そ、帰ってきた、とM本。もう何もみたくない、結果がこわいと想った。開かれた扉の向こうには誰も、何もいなかった。あたしは何を待っていて、この絶望的 な気持ちは何故だろうと想う。何を待っていたの?
みな、答えられない。何を、誰を待っていたのか?急に日常的なシーンになって、みなでピザの配達を待ち、食べた。コーラを呑んだ。
さらに、煽り。歩きながら、手を入れて煽る。瞬発的な煽り。まだ瞬発力が皆弱いなあ。15本連続。さらに懇願。10本連続。Aりの感情が煽りの途中で途絶える。見学にかえる。さらに煽り、懇願の繰り返しを10本。心がかなり動いたようだ。
さらにYき、Mもとによる煽り。ダメを出して、さらに2本。反応、怯みにより表情も加わり、いいシーンになっていった。続いて、嫉妬、殺人、反応までの連 続シーン。1本目はふたりとも全然ダメ。ダメを出して、もう1本。今回はその瞬間、変わり目が鈍かった。またやってみよう。いつでも感情は水のように自由 に流れなければね。そして、それぞれがそれぞれの魅力を発揮し続けていかなければね。
最後に台詞。また、ピンター。2組で交互にやってみた。まず、声が弱い。声は基本。それから、言葉といきたいというのが今日の感触だ。
面白い本だから、さらに練りたい。
今年は来週が最後。さらに連続エチュードで締めたい。
鍛えて鍛えて輝きたいね。