2010/01/04
劇的なるものを探し続けるために。

今日はピンターの美術打ち合わせ。かなりのいい感触でY岩先生もよい表情だった。道すがら美術のTあちゃんとおしゃべりしながら新宿まで同行ふたり。楽し かった。とことん極めていこう感のあるスタッフさんは大好きだ。今回またまた女性スタッフ座組だ。それも個性強い極めるぞの女性ばかり。いろんなスタッフ と出逢ってきたけれど、ちょっとあっちにいっちゃってる感じの女性スタッフさんとは馬が合って、なんとな〜く長いおつきあいになりそうだ。
Y岩先生と演劇の行く末を嘆く。だめだよな、こんなことでは。自力でやれよ、河原乞食ってことですかね?むかつく!
まあ、あたしは政治に迎合するつもりはハナからないので、革命だあ!財布ひっくり返してでもいいもの創るしかないね。
と稽古始めの稽古場へ行く。開いているので、参加者なしかと想っても嬉しい参加者がやってくる。まず、稽古場のあり方としてはいい感じ。
参加者3名、見学1名だったので、シーン作り、感情ドライブにはあたしも入る。今日は5本のシーンが出来たが、どれもこれも同じところをループするばかり でつまらなかった。Yきの発想をいただいてみる。ここまではいけるのだけれど、風変わりな発想が失速する。Mケル、Mなはしゃべることでどんどん嘘になっ ていく。
感情、深い哀しみからのシーン作り。やりきれない気持ちで彷徨っていた。Yきの「笑うんだよ」はとても心に響いた。ただ、シーンとしては嘘の感情が交ざり、言葉だけが飛び交った印象。
感情、強い怒りからのシーン作り。無理に会話にしていくことはないとあたしは想っている。Yきの反応がよかった。Mな、Mケルの感情は伝わってこない。強いものにはもっと強いものがぶつからないとと感じた。
殺意。同時多発で。殺意、殺意の実行。そして、その後。一連の感情表現なので、なかなか難しいかもしれない。あたし自身は達成感と後悔、恐怖というところ まで動いた。2本目、外れて観る。Yきの感情の波が弱い。Mな、まったく感情が動いていないことを表情で補う。まず、感情を産むこととアドバイス。Mケ ル、持続しない。まだまだ頭が働いていて、パズルのようだ。最初に産む感情を丁寧に産み、その後は流れに身を任せてみればいい。
続いて、煽り。15連発。まず歩きながらの煽り。あたしは観る。3名だったので、なかなか煽りが成立していかない。ダメを出しながら、繰り返し。
正対しての煽りの循環に変える。相手に届いていかない。ダメだししながらさらに15連発。Yきは落ち着いていい煽りができるようになってきた。声のボリュームが足りない。これは大きな声ということではなく、声の強さだと想うよ。ささやいても届く声を手に入れてほしい。
Mケル、表情がやっと自然に動き始めた。その方がよっぽどいい。身体を揺らす癖、取りたい。Mな、自己完結で相手に届いていない。表情に乏しいのは心からの言葉ではないからだね。
続いて懇願。歩きからの懇願。数本やるが、ネタのようになっていくので、止める。この願いをどうしても叶えたいときの感触を掴むための訓練なので、ふわふわしたものでは実感がない。見知らぬ人への結婚申し込み。相手にどうすればYESと言わせることができるか?
アドバイスして、さらに10連発。少しずつ実感が見えてきたかな?
奇妙な部屋。繰り返しているエチュード。日常をいかに面白く劇的にみせるか?そこに不審者。反応、実感のエチュードだ。
われわれの日常を見せてもお客様は面白くもなんともないね。それをいかに芝居にするか?そこには虚実ないまぜの工夫が必須。Yき、少しずつみっともなく なってきて好感。他者への反応があまりにぬるくて、逼迫感が足りない。コントではない。そこに実感がどうしてもほしいのだ。想像してごらん。自分の部屋で ふと横を向いたら、知らない人。反応するでしょ?そこからだよね。
少しうまく行きかけていたこのエチュードだが、今日はダメ。
最後に台詞。ピンター「夜」
ここでは台詞を参加者で順番に渡していくという本読みをしている。順番を変えて全部の台詞をかならず話すようにしている。
台詞との向き合い方を探っている。面白い戯曲である。今日は謎解きのような流れだったかな。
男との関係、女との関係をそれぞれがしっかりもってリアリズムでいきたい。
人はすべてを否定はしないものだからこそ、面白い。
今日の稽古は何となく不完全燃焼だった感触。もっと跳びたいんだな、あたし。地に足ついたところに劇的はない気がしている。
急いで帰宅。空腹を満たす。